2010年 08月 05日
第92回高校野球京都大会(15) : 京都成章 vs 乙訓(後篇)
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京都成章の校歌斉唱のときの藤井投手からは、「1」を背負った責任感を感じた。そして彼を支えるように背中に添えられた仲間の手も印象的だった。


3-2と京都成章が1点リードして迎えた8回表。乙訓は一死から真継選手、田尻選手が出塁し一・二塁とすると、続く5番 垣内選手が左翼手の頭上を越える2点適時打を放ち、代走の鷺之上選手と田尻選手が生還、逆転に成功した。
比較的大人しい選手が多い印象の乙訓ではあるが、この逆転の時の選手たちの喜び方、感情の爆発ぶりはすごいものがあったし、試合の流れ・ムードも完全に乙訓に引き寄せた感があった。
京都成章はここで澤田投手にスイッチし、これ以上の失点を許さずに8回裏の攻撃につなげた。
8回裏の京都成章は4番の岡田選手が左前打で出塁すると、躊躇なく4番に代走 仲野選手を送り、続く5番 氏田選手も中前打で出塁する。
ここで6番 片山選手が送りバントを決めて一死二・三塁として、7番 柏木選手が右犠飛で同点に、そして代打 岩田選手が三塁線を襲う適時打を放って再逆転に成功した。
点を取られた直後にきっちり取り返す京都成章の采配が見事に決まった感があったし、強い私学の底力を見た思いだった。
9回表の乙訓も二塁に走者を進めたものの、最後の打者となった高田選手の飛球が左翼手のグラブにおさまって試合が終了した。

この1年、乙訓のエース 藤井投手の投球は何度も見てきた。
あまり感情を表さず冷静に投げる投手という印象だったが、試合終了後に帽子で顔を押さえて悔しがる様子を目にした時には本当に驚いた。
その様子から、背番号1を背負うことの意味や責任感を感じた。
1回も8回も、自分がしっかり投げていれば…という思いが溢れたのだろうが、大会を通して彼は本当によく投げたと思う。


8回表 真継選手が出塁した場面で、京都成章は内野陣がマウンドに集まり、ベンチからの伝令を待った。
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5番 垣内選手の適時打で三塁を蹴って本塁を目指す田尻選手。逆転を果たして盛り上がるベンチの脇で咆哮した。
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逆転打を放った垣内選手は二塁上でジャンプしていたが、その表情と様子は非常に明るかった。
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京都成章はここで澤田選手が救援し、後続を抑えて直後の攻撃へと橋渡しした。
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8回裏、京都成章の5番 氏田選手の打球に飛び込む北尾選手。
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柏木選手の犠飛で生還した代走の仲野選手。続く代打 岩田選手は三塁線を破る決勝打を放ち、二塁上で自陣に向かって拳を突き上げてみせた。
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乙訓も9回に静野選手が中前打で出塁。送りバントで二塁にまで進んだが、主将の高田選手の打席で試合が終わった。
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試合終了後、素早くベンチに戻った高田選手と、最後まで京都成章の選手たちとやり取りする藤井投手。二人の対照的な所作が印象に残った。
高田選手の悔しがり方も藤井投手の悔しがり方もどちらも素直な感情の表れでとてもよく理解できるが、自分がもし乙訓の選手の一員だったなら、果たしてどちらの悔しがり方をするだろう…。
高田選手の思いも自分には共感できるのだ。
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ハンドタオルを持って応援席への挨拶に向かった末常監督。ここ数年見続けてきて初めて目にしたシーンだった。
このチームは頂点を狙える力がある と監督自身認識し、この大会に臨んだことを物語っているようだった。
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by photomoments | 2010-08-05 22:43 | 高校野球:京都(公式戦) | Comments(10)
Commented by boss_5th at 2010-08-06 01:28 x
甲子園でも、準々決勝以降は見応えのある試合が多いですが、
この京都成章と乙訓の一戦も1点を争う好ゲームだったようですね。
詳しい解説付きで、十分堪能できました。

敗戦後の対応については、おっしゃる通りどちらも理解できますね・・・・。
ただ、性格的なものもあるとは思います。

スポーツマンシップを重視するということになれば、藤井投手の対応は
素晴らしいと思いましたが、感情をストレートに出せば、高田選手の気持ちを理解できなくもない・・・・。

この瞬間は、当人にもわからないような行動に出てしまったということも
考えられなくもありません。難しいですね。

監督さんの表情から、このチームが本当に素晴らしいチームだったということがわかりますね。
その瞬間をとらえているところがまた素晴らしいと思います。

全国大会も間もなく始まりますね。京都外大西、陰ながら応援します(^.^)
Commented by komorebitokaze at 2010-08-06 15:07
こんにちは はじめまして♪
すごく迫力のある写真ばかりで、圧倒されてしまいました。
プロでお仕事されてる方ですか?
うちの子(小学生)のソフトでも 大会のたびに色んなところが撮ってくれましたが、ここまですごいのは見たことがないです!!
また時々拝見させてくださいね 楽しみにしています!
Commented at 2010-08-06 18:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mimosahappy at 2010-08-06 21:42
こんばんは!
息子は今年はきっと乙訓が優勝する、と言ってましたので、
ここで負けたことは不本意だったことでしょうね・・。
ほんとに、それぞれの学校にそれぞれのドラマがありますね。
冒頭の写真もすごくいい写真ですね!
Commented by photomoments at 2010-08-06 23:26
boss_5th さん、こんばんは。
もう明日には開幕ですね。なのにまだ予選の写真がアップ完了していない私です…。

高田選手はガッツを前面に出す印象の選手で、藤井投手はクールな印象のある選手 という印象でした。
それがこの試合では、高田選手がサバサバと引き上げ(すごく悔しかったんだろと思います)、藤井投手がなかなかベンチに戻ろうとしなかった…
記事中では言葉足らずだったかもしれませんが、それが普段見てきた様子と正反対だったのも、私が印象深く感じた理由でした。
Commented by photomoments at 2010-08-06 23:41
komorebitokazeさん、こんばんは。こちらこそ初めまして。

いえいえ、写真は仕事ではなく、趣味の一環です(笑)。普通に会社勤めしているんですよ。
まぁ趣味とはいえ、野球の撮影には結構のめりこんでおりますが…。

昨年小学生のソフトボールを撮る機会がありましたが、予想以上に難しかったです。

これからもよろしくお願いします。ありがとうございます!
Commented by photomoments at 2010-08-06 23:48
鍵コメさん、こんばんは。

ご指摘のとおり、初めて撮影するチームよりは、何度か撮影した経験のあるチームの方が撮りやすいのだと思います。
クセや特徴が頭に入っていたりすると、撮影に際して心構えもできますから。

今回、見たかったシーンが撮れていたようでよかったです。
でも新チームになると、また撮影勘を積み上げていかないといけないでしょうね。

明日から甲子園でも熱戦が始まりますが、新チームで各地で行われる練習試合も気になってしまいます。
Commented by photomoments at 2010-08-06 23:57
mimosaさん、こんばんは。

乙訓を優勝候補に推す声は結構多かったですよね。
そんな乙訓に競り勝った京都成章。これまた勝負強いチームだったと思います。

トップに掲載した写真は、この試合で一番気に入っている写真かもしれません。
単焦点レンズなのでギリギリのフレーミングとなって苦労しましたが、何とか撮れてよかったです!
Commented by じょー at 2010-08-07 20:10 x
監督さんの写真を見ただけで、泣けます。
Commented by photomoments at 2010-08-08 09:11
じょーさん、おはようございます。

選手・部員だけでなく、どの監督さんも強い思いを持って大会に臨んでいるんだろうな…
と思いました。
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