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2009年 11月 12日
奈良(京都)散策-3 浄瑠璃寺
一連の奈良散策で最も見たかった場所は浄瑠璃寺だった。

これまでにも2度ほど足を運んだ浄瑠璃寺の存在を初めて知ったのは、学生時代、国語の教科書で堀辰雄の「浄瑠璃寺の春」を読んだときだ。
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  ちょっと子供じみているかもしれないが、浄瑠璃寺に行く時は必ずこの文庫本を持って行き、道中で「浄瑠璃寺の春」を読むことにしている。
  文章の中の世界と目の前の光景を重ね合わせることができるから。
  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

  この春、僕はまえから一種の憧れをもっていた馬酔木(あしび)の花を大和路のいたるところで見ることができた。
  なかでも一番印象ぶかかったのは、奈良へ着いたすぐそのあくる朝、途中の山道に咲いていた蒲公英(たんぽぽ)や薺(なずな)のような花にもひとりでに目がとまって、
  なんとなく懐かしいような旅人らしい気分で、二時間あまりも歩きつづけたのち、漸(よおや)っとたどりついた浄瑠璃寺の小さな門のかたわらに、
  丁度いまをさかりと咲いていた一本の馬酔木をふと見いだしたときだった。


で始まる、堀辰雄の特徴でもある長々とした文章に当時はほとほと嫌気がさしたものだが、以後も折に触れてこの随筆が思い出され、文庫本を買い、
遂には一度見てみたいと思うようになったのだった。

今年もちょうど紅葉が始まる頃と思い、どうしても行ってみたくなった。
近鉄奈良駅からバスに乗り、門前に到着したのが昼過ぎだったので、まずは絶対に訪れておきたかった吉祥庵で昼食を摂った。
吉祥庵は蕎麦屋さんなのだが、ご主人の本業は陶芸家だそうです。
シンプルな蕎麦がなかなか美味(量は少なめだが)。
ご主人の美学が内外に漂っているところも魅力的だ。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

休日に訪れたこともあって、駐車場はほぼいっぱいの人出(これまでは平日に来ていたのでほとんど人がいなかった)。
それでも他の行楽地と比べたらずっと人は少なく、落ち着いて過ごすことができる場所だ。
おそらくこのあたりの雰囲気は、堀辰雄が訪れた戦時中の頃とあまり変わっていないのだろう。

浄瑠璃寺の山門はとても小さい。国宝の仏像や建物がある寺の山門とは思えないほどに自然体だ。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

伽藍の西側にある、国宝の九体阿弥陀仏をおさめた国宝の本堂(九体阿弥陀堂)。
平安時代の浄土信仰が盛んだった頃に各所で建立されたという九体阿弥陀堂だが、現存するのは浄瑠璃寺だけとのこと。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

伽藍の中央にある池は、浄土式庭園の特徴。
池を中心に、三重塔のある東側が此岸(しがん、現世)、本堂のある西側が西方極楽浄土のある彼岸。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

伽藍東側にある三重塔から、本堂の瓦屋根と紅葉を望遠で狙ってみた。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

本堂の前から池越しに、東側の三重塔を見る。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

山に抱かれるように立つ小さな三重塔は、この寺らしい佇まい。
内部に安置されている薬師如来像はアライグマの被害に遭い、修復のために「ご不在」だった。
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  二時間ほど滞在していると、青空をようやく見ることができたのだが、太陽光が強くて三重塔の朱色が映えない…。
  フィルターを使うなりして太陽光をコントロールする必要があったと思いますね。
  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

紅葉の最盛期も見ごろだろうが、紅葉が始まる時期も美しいと思った。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

でも、きれいな緑色のままのモミジも、朱塗りの三重塔とのコントラストが美しかった。
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  (EOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

本坊の近くの柿の木にはたくさんの柿が実をつけていた。

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  「ずいぶん大きな柿の木ね。」妻の声がする。
  「ほんまにええ柿の木やろ。」少女の返事はいかにも得意そうだ。
  「何本あるのかしら?一本、二本、三本…」
  「全部で七本だす。七本だすが、沢山に成りまっせ。九体寺の柿やいうてな、それを目あてに、人はんが大ぜいハイキングに来やはります。
  あてが一人で捥いで上げるのだすがなあ、そのときのせわしい事やったらおまへんなあ」

  と、堀が記した柿の木はこれだろうか?
  (EOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

寺のいたるところに猫がいた。飼い猫か野良かはわからないが、そんな様子もこの寺らしいと思える。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

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  (EOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)
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by photomoments | 2009-11-12 21:38 | 建物・街・風景 | Comments(8)
2009年 11月 10日
奈良散策-2 若草山・奈良公園
前回(東大寺)の続きで、東大寺からほど近い若草山と奈良公園の写真です。

数日前にNHKで、若草山の鹿と仲良しの高校生を取り上げた番組を見たこともあって、初めて若草山に行ってみた。
山としてはそんなに雄大な山ではないと言えるのだろうが、ちょうど雲が湧き上がってくるところだったし、雄大な雰囲気を撮ってみたいと思った。
点在する人々の存在も、山の大きさを強調してくれたかもしれない。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

のんびり過ごす鹿のなかから小鹿が近づいてきて、首を上下させて鹿せんべいをねだってきた(鹿せんべい持ってないんだけど…)。
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  (EOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

林の中の茶屋もなかなか雰囲気がいいですね。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

奈良公園に向かって歩いていると、見上げたケヤキ(と思います)の枝先から紅葉が始まっていた。
枝ぶりの美しさもあって、カメラを向けたくなった。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

奈良公園にある新公会堂。大仏殿や唐招提寺金堂に通じるような瓦葺きの大屋根は奈良の建築的文脈を反映したものといえるだろう。
1987年に完成したこの建物は「公共建築百選」にも選ばれている。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

※次回は奈良散策の最終回、(正確には京都府のお寺になりますが)今回の散策の一番の目的地である浄瑠璃寺です。
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by photomoments | 2009-11-10 07:14 | 建物・街・風景 | Comments(4)
2009年 11月 09日
奈良散策-1 東大寺
薬師寺の写真を先行して記事にしたが、薬師寺はこの日(11月3日)の一番最後の撮影地。
最初に訪れたのは東大寺だった。
大仏殿をただ撮っても面白くないから、南大門をくぐった後、中門の屋根越しに大仏殿の屋根を重ねてみた。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

東大寺はお水取りの舞台、二月堂に惹かれてしまう。だから今回も大仏殿はパスして、二月堂を目指して歩いていった。
林の中で、木の幹から芽吹いた緑に、赤い小さな葉が引っ掛かっているのが目に留まった。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

二月堂の魅力は、建物もさることながら、二月堂に至る石畳と階段が作り出した佇まいにも情緒を感じてしまう。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)

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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

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  (EOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

二月堂へ昇る階段に落ちる柱の影はいつ見ても美しいと思う。
薄曇りの天候だったので、人の流れが途絶え、かつ光が射すまでしばらく待機した。
こうした陰影を捉えた撮影が最近のお気に入りかもしれない。
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  (EOS-1D MarkIII + EF50mm F1.4 USM)

列柱のような反復要素を切り取るのも(ベタですが…)お気に入りといえそう。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)


二月堂の手水舎は苔が生えているが、ここにも一瞬光が射した。
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  (EOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM)
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by photomoments | 2009-11-09 07:09 | 建物・街・風景 | Comments(6)
2009年 11月 05日
薬師寺夕景
夕焼けを背にした薬師寺を、秋篠川から撮影した。
(写真はすべてEOS-1D MarkIII + EF70-200mm F4L IS USM + EXTENDER×1.4)

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CANON EOS 5D MarkIIのCMで、写真家の石橋睦美氏が
「風景写真ってのんびり構えてれば撮れると思ったら大間違いで…」と語るくだりがある。
正直なところ、スポーツ撮影じゃあるまいし、そんなもんだろうか? と懐疑的に見ていたCMだったのだが…。

数分かけて闇が迫るなか、小さな雲がフレームからなかなか消えてくれなくて、
しばらく待ってようやく雲が消え、撮影した1枚。
ほんの5秒ほどでも雲の形が微妙に変化することを、一昨日ほど真剣に見て過ごしたことはなかったと思う。

全然知らなかったのだが、国宝の薬師寺東塔は解体修理の事前調査のために足場が組まれ、祝日の一昨日もクレーンで作業が行われていた。
秋篠川に行く前に、近鉄線の西側にある大池にある薬師寺の著名な撮影スポットに行き、クレーンが立っているのを見て、思わず愕然としてしまった。
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ここから夕焼けに染まる東塔・西塔を撮ることも狙っていたのだが、クレーンが興ざめだったので即座に断念した次第。

同じクレーン作業でも、夕焼けにシルエットが浮かび上がる写真にしたら、古(いにしえ)の東塔建設時はどんな状況だったのだろうか などと、
往時に思いを馳せることができるのが不思議なところだ。
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by photomoments | 2009-11-05 00:30 | 建物・街・風景 | Comments(12)