タグ:撮影法 ( 28 ) タグの人気記事

2011年 11月 12日
野球写真撮影について(17): ボールにピントを合わせる
半年以上前に、スポーツカメラマンの先駆者のお一人であり、かつ株式会社アフロ代表取締役を務める青木紘二さんのインタビュー記事を読んだ。
そのなかでも特に印象的だったのが、ピッチャーが投じたボールにピントを合わせた写真を撮影したエピソード。
その遊び心と、時速140kmほどのスピードで飛んでくるボールを絶対に写し取ろうという意欲が一つになった写真で、5球くらいトライして撮影した とのことだった。
マンネリに陥ることなく、新しい撮り方を工夫していかねばならないのだと考えされられもした。

それが脳裏に残っていて、夏の高校野球を撮影した際に、合間合間で同様な撮影を試みた。
初めてトライした試合が立命館宇治vs京都両洋の一戦で、1回目で撮れたのが下の写真。立命館宇治の福本投手が投げたボールを撮影した。

b0170881_05709.jpg


当然ながら、投げられたボールにオートフォーカスを追従させるのは不可能。だから適当な位置でピントを固定し、置きピンで適切にタイミングをとって撮影する。
マウンド上のプレートからホームベースまでの距離をおよそ0.5秒で到達するボールには秒10コマの連写でも対応できないので、ワンショットでの撮影。
連写モードだとしても最初の1枚しかモノにならない。

b0170881_0591326.jpg


撮影位置はマウンド~ホームベース間の延長線上が構図的に面白いと思う。
(青木さんが撮影された写真もこのポジション。ただし焦点距離の長い(400mm?)レンズでの撮影なのでボケ具合は私の写真よりずっと大きい)
下の写真は龍谷大平安の甲子園練習のときに撮影した1枚。選手たちにピントが合わない中でボールだけにピントが合い、縫い目が見え、ボールが空中で静止しているような写真が撮れた。

b0170881_0582122.jpg


ボールにピントを合わせるといっても、実際には、「置きピン」で定めた被写界深度内をボールが通過するごく一瞬を狙ってシャッターを切る行為。
「置きピン」の位置は投手・打者を収める構図であればその中間域、投手のみを背後に収めるならホームベース寄りにセットしたほうが、プレイヤーの姿が大きくボケる。
もちろん開放絞りか小絞り程度でボケ具合とシャッター速度を稼ぐことも狙って。

b0170881_0592087.jpg


これらの撮影は、撮影の感覚を研ぎ澄ますよいトレーニングになると思う。
(かくいう私の成功率は4割程度といったところです…)
[PR]

by photomoments | 2011-11-12 23:00 | 野球写真撮影 | Comments(13)
2011年 09月 28日
「JCII水谷塾修了展2011」に行ってきました
b0170881_2324922.jpg

いただいて帰った水谷塾修了展のポストカードを、その雰囲気を損なわないように EF50mm F1.4 USM にて撮影。


JCIIスポーツ写真プロ育成セミナー「水谷塾」の修了展が、9月27日~10月2日まで、東京都千代田区一番町のJCIIビルで行われています。
スポーツ写真を好んで撮っている私としては、日本におけるスポーツ写真の先駆者であり、2年前にキヤノンフォトコンテストに選んでいただいた際の審査員でもあった水谷章人氏が主宰する水谷塾の存在は以前からとても気になっており、一度見てみたいと念願していた写真展です。
ちなみに私がブログリンクしている方のなかにも水谷塾で修行されている方がいます(私も関東在住であれば、水谷塾の塾生になりたいです…)。
昨日はタイミングよく関東方面に行く用件があったので、早めの新幹線に乗り、写真展を見に行きました。

会場には水谷塾の「塾生」21人の作品、本当にさまざまなジャンルのスポーツ写真が展示されていました。
漫然と見るのではなく、撮影条件や諸設定に思いを巡らせたり、自分だったらどう撮るだろうかと思いながら、じっくりと拝見しました。
なかでも特に完成度が高いなあ と思う写真は、着眼点や構図、背景整理の巧みさはもちろんですが、この季節のこの時間帯の光が好きといったようなこだわりや、撮りたい一瞬のために費やしたであろう手間や時間なども感じられて、そうしたエネルギーにも敬服する思いでした。
写真展の受付をしていた方がちょうど今回の修了生(2名)のお一人で、作品を見ながらいろいろなお話をさせていただいたのも非常に有意義でした。

これだけ野球写真を撮っていると同じような写真が積み重なり、ともすればマンネリ化してしまうことを自覚するのですが、この写真展を見ることで、構図や位置取り、光の読み具合など、どれだけ実践できるかわかりませんが、こだわる余地はもう少しありそうだと感じました。
また、野球以外のさまざまなジャンルのスポーツ写真撮影の面白さも見えてきて、よい刺激を受けました。
スポーツ写真を撮られる方やスポーツ写真に関心のある方なら絶対に見る価値がある写真展です。
[PR]

by photomoments | 2011-09-28 06:42 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2011年 01月 06日
新聞への写真・記事の寄稿
京都府南部、宇治市・城陽市などを発行エリアとする地域紙に、城南新報がある。
城南新報には少年野球などの記事や、ベースボール倶楽部のたっちゃんさんが執筆した記事を随時掲載したりと、野球関係の記事が充実しているのが大きな特色となっている。
その城南新報の社長さんとは高校野球の撮影を通して知り合いとなったのだが、昨年2月ごろに社長から、翌年元旦号の1面に掲載する写真を撮影してもらえないか とのお話をいただいた。
撮影における条件として、元旦号の1面に掲載する写真は宮中歌会始の御題にちなんだ題材で毎年掲載していて、2011年の御題は「葉」であること、撮影地は新聞発行エリアに限定してほしいこと などが伝えられた。
そのときは面白そうだなぁと思ったことと、取り組み甲斐のあるありがたいお話だと感じたこともあって、少し考えた末にお引き受けした。

ちなみに、前年(2010年)の宮中歌会始の御題は「光」。光がテーマなら被写体は多岐にわたるし、どんなものでも被写体にできるように思えるが、「葉」となると案外難しい。
たとえば、遠くから撮影したら、それは葉というよりも木になってしまうし、ほどほどのスタンスで撮影すると中途半端な写真になる。かといって1枚の葉を単純にクローズアップ撮影しただけではひねりがない。こうしたことはお引き受けした当初から想定できたのだが、実際に撮影してみると予想通り難しい主題だった。
また、依頼を受けた時点ではカラー刷りかどうかも確定しておらず、モノクロ掲載の場合もイメージしながら撮影を行う必要があった。
自分が撮りたいものを撮るのとは異なり、依頼に応える写真を撮るのはある種のプレッシャーが存する。また、野球の撮影やコンサートの撮影のように撮るべき対象が明確なケースとは異なり、大きな漠然としたテーマを撮影結果につなげることも難しいと改めて実感した。

宇治エリアで「葉」といえばお茶 という、ちょっと安直な発想で宇治田原町に足を運び、春まだ早い時期の収穫の様子を拝見したのをスタートに、秋は隔週ペースで大阪から宇治方面に足を運んだ。これまでは太陽が丘球場と平等院界隈しか知らなかったのに、城陽市も散策したし、白山神社のような知らなかったスポットでのんびりした時を過ごしたりもできた。
何度かにわたる撮影行の結果、元旦号に掲載することとなったのは平等院入口で撮影した一枚。
紅葉の季節を迎え、木々が鮮やかな色をみせるなか、常緑樹の植え込みの上に黄色く色づいた一葉のモミジが落ちているのを対比的に狙った何気ない写真である。だがそこで日々新聞を刊行されているスキルが光る。掲載する写真選定の打合せをしているその場でこの写真に、「秋を受け止めた緑の葉が春を待つ」と、上手なコピーをつけていただいた。

b0170881_20251637.jpg

掲載された写真は( EOS-1D MarkIII + EF100mm macro F2.8 USM )にて撮影したもの


それともうひとつ。スポーツ写真の撮影に関する記事を5段抜きで書いてほしいと依頼され、はなはだ僭越とは思ったものの、コラム記事を書かせていただいた。

b0170881_20252558.jpg


十分にスペースはあるようでも字数にすれば2,000字ほど。ごく基本的なことを述べるだけで終わってしまった。
「野球の取材・撮影をしていると、親御さんたちから『絞りやシャッター速度はどのくらいに設定して撮ってるんですか?』と聞かれることが多いので…」という社長の意向を踏まえ、カメラの諸設定について書きたいと思って取りかかったが、きちんとピント合わせを行うことなど、最も基本的な事項について書いていくと字数が足りなくなった。
読む人が読めば、当たり前すぎることしか書いていないと思われるような内容だが、被写体をなるべく大きく捉え、しっかりとピントが合った写真を撮ることが何よりも大切なことだと思うし、それなくして絞りやシャッター速度を云々してもあまり意味がないので、結果的にはよかったのかもしれない。

この記事が読まれた方にとって若干でも参考になる記事となっていれば幸いです。
[PR]

by photomoments | 2011-01-06 23:42 | コラム・随筆 | Comments(22)
2010年 11月 07日
野球写真撮影について(16): シャッター優先AEか 絞り優先AEか-2
前回の続きの記事として、今度は、私がシャッタースピード優先AE(以下「シャッタースピード優先」)を使う場合について記したいと思います。

これまで掲載してきた試合記事中でも少し書いているが、普段絞り優先AE(以下「絞り優先」)を使う私がシャッタースピード優先で撮影するケースは主に2つある。
ひとつは、ナイター撮影やドーム球場での撮影でシャッタースピードが稼げない場合。
球場によって照度が大きく異なるということがカメラを操作しているとよくわかる。甲子園球場は比較的明るいほうだと思うが、私がよく足を運ぶわかさスタジアム京都(西京極球場)の照明は甲子園球場と比較すると暗いし、ドーム球場もまた暗い。ナイター・ドームの照度は肉眼で観戦するには問題ない照度だが、写真撮影にはシビアな条件となる。
この場合、日中撮影するように低いISO感度で速いシャッタースピードを確保することは不可能になる。シャッタースピードが遅くなって被写体ブレを起こすことを回避するため、絞りは開放に近づけて光を多く取り込むのはもちろんだが、ISO感度を1,000以上に上げてでも、被写体ブレを起こさないシャッタースピードを確保する必要がある。

以前はナイター撮影でも絞り優先の設定としていたので、ISOを上げ、絞りは開放付近にして撮影していたが、たとえば絞り優先設定でシャッタースピード1/1,000秒程度を稼げる条件設定にしたとしても、バッテリー間は明るくても内野、外野へ行くにつれて暗くなるように、レンズを向けるエリアによって照度が大きく異なるから、制御しなければいけないシャッタースピードが大きく上下してしまう。最も照明が明るいバッテリー間で1/1,000秒程度に設定していたら、外野では1/400秒程度になる可能性もあり、撮影上のリスクが大きいことを実感するようになった。
そこでやっと、絞り優先での撮影からシャッタースピード優先での撮影に設定を切り替えて撮影することが自分に合っていると気がついた次第だ。
b0170881_0554215.jpg

第92回全国高等学校野球選手権記念大会 成田vs八戸工大付 2010.8.13撮影 (EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)
撮影モード:シャッタースピード優先AE, Tv=1/1,000sec, F2.8, ISO=1,000, 評価測光, 露出補正=±0, AI Servo AF, WB=5,000K, jpeg


前回記したように、日中の撮影で、自分が必要とするシャッタースピードが確実に稼げる状態であれば、それ以上のシャッタースピードが出ることは実用上問題がなく、言い方は乱暴だが、シャッタースピードは成り行きで放置しておいて支障ない。だから絞り値とボケに重点を置いた設定が成り立つのだといえる。
しかしナイターの場合、被写体ブレを起こさないだけのシャッタースピードを確保することを何よりも重視しなければならない。光量が少ないから自ずと絞りは開放寄りになるからボケ具合も良好なので、あとは機材の特性に応じて、荒れすぎないISO感度とシャッタースピードのバランスを考慮することになる。高感度耐性のある機材であれば速いシャッタースピードを追求することもできるし、明るい(F値が小さい)レンズを使うことはナイター撮影では特に有利になる。逆に高感度耐性の低い機材や明るくないレンズを使う場合には、求めるシャッタースピードを控えめにして(その場合でも1/500秒は確保したいところ)諸設定のバランスを取ることもあるだろう。

私の場合、ナイター撮影でのシャッタースピードは1/1,000秒に設定し、絞りとISOを変化させることで1/1,000秒をキープしている。
私の使っている機材では、特にISO感度の面でこのくらいがバランスよく感じられることと、ナイター撮影ではオートフォーカスの精度自体が低下するので、これ以上のシャッタースピードを求めても結果が伴いにくいと感じていることが理由だ。


シャッタースピード優先を使うもうひとつのケースは、スローシャッター撮影のとき。
1/50秒などのスローシャッターにして動感ある写真を撮りたいときは、シャッタースピード優先のほうが撮りやすい。
ただ、絞り優先で撮影している試合中にシャッタースピード優先に切り替えて撮影するのは設定変更の手間がかかるため、試合中はすべての投球に即応できる撮り方を意識する私にとっては扱いにくいことも事実。だから絞り値を調整することでシャッタースピードを遅くして撮影することのほうが多い。
b0170881_0555876.jpg

乙訓高校野球部練習 2010.2.20撮影 (EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)
撮影モード:シャッタースピード優先AE, Tv=1/50sec, F22, ISO=100, 評価測光, 露出補正=±0, AI Servo AF, WB=Auto, jpeg


ご注意 : 2010年7月1日以降、記事の下欄に株式会社エキサイトによる広告が表示される場合があります


[PR]

by photomoments | 2010-11-07 01:21 | 野球写真撮影 | Comments(25)
2010年 11月 03日
野球写真撮影について(15): シャッター優先AEか 絞り優先AEか-1
今回は、久々の野球写真撮影についての記事です。
野球に限らずスポーツ写真撮影でも同じ話だと思うが、初めて撮影しようと思ったときに迷うのが、一体どのモードで撮影すればよいのか ではないでしょうか?
ということで、野球撮影時の私の撮影モードについて、そして使い分けについて記してみたいと思います。
(あくまでも私の個人的な撮影設定であり、同じ設定をしなければ撮影不適ということでもありません。同好の士の方といろいろと意見交換ができれば幸いです。)

b0170881_0105887.jpg

ほとんどすべての機種には、簡単に撮影できる設定として、「ポートレイト」や「風景」といった撮影モードと並んで「スポーツ」モードが用意されている(ただしキヤノンでいえば、EOS-1D系のようなプロユースの機種には付与されていない)。
「スポーツ」に設定すると、適切なシャッタースピードの確保、動体撮影に適したオートフォーカスモードの選択や連続撮影への切り替えなど、あれこれ難しいことを考えなくても撮影できるのは便利であり、デジタル一眼レフでの撮影の「敷居」を低くする効果はあると思うが、デジタル一眼レフを使い込み、そして使い慣れていくと、シャッタースピードのコントロールや背景のボケ表現、ISO感度の設定度合いなどの点で、必ずしも自分の意図どおりの撮影ができないケースも出てくるかもしれない。
またせっかく使うなら、こうした「簡単撮影モード」は卒業し、シャッタースピード優先AE(以下「シャッタースピード優先」)や絞り優先AE(以下「絞り優先」)、もしくはマニュアル露出といった撮影モードを使ってみたくなるだろう。

b0170881_123543.jpg

KissX3のダイヤル。Avが絞り優先モード、Tvがシャッタースピード優先モード、Mはマニュアル露出モードで、一番手前の人が走っているマークがスポーツモード。


そこで、タイトルにも掲げたシャッタースピード優先か絞り優先か ということだが、結論から書いてしまうと、私の場合は日中の野球撮影では絞り優先での撮影を基本としており、シャッタースピード優先、マニュアル露出を用いるときは特定の条件下に限定している。
そもそも絞り優先で撮影をするようになった理由ははっきりと憶えていないのだが、絞りを調整して撮るという行為が、シャッタースピード優先で撮るよりも本格的にカメラをいじっている感じがあったから(?)なのかもしれない。

しかし絞り優先で撮影することで、自分にとってはいろいろなメリットがあったと思えるようになった。
絞りの調整には、表現的な面では、被写界深度を浅くして合焦した範囲以外をボカす効果を求めたり、逆に被写界深度を深くしてピントの合う範囲を広げたりする目的がある。また光学的観点では、開放絞りではレンズの諸収差が発生しやすいのを回避する目的も挙げられるだろう。

私が野球撮影で使用しているのはEF300mmF2.8L IS USM。サンニッパと称される単焦点レンズだから開放絞りでもきちんとした画を得ることができるのだが、私は開放絞りF2.8のこのレンズを絞り1段分程度絞り、F4前後に設定して撮影している。これはごく微妙な感覚なのだが、絞り開放で撮影するよりも画質が整う気がすることも一因だ(「GANREF」にこのレンズのシャープネスを確認したデータが掲載されているが、中央部のシャープネスはF4が最もシャープだとの結果が出ている)。
そのうえで、シャッタースピードが1/1,000秒~1/1,250秒程度は確保できるようにISO感度を設定する(日中の撮影であれば、概ねISO感度は200~400の範囲になる)。
この設定であれば、光量が多いときにはシャッタースピードが1/2,000秒とか1/3,200秒に上がるし、光量が少ない場合には絞りを開放寄りにするなり、ISO感度を加減するなりすればある程度対応ができる。

日中の撮影で絞り優先を使うメリットと考えているのが、光量が多いときに変化するのがシャッタースピードであって絞り値は変化しないということだ。絞り値が変化しないということは被写界深度が変化しないということになり、背景のボケ具合が変わらないことになる。
たとえば内野ゴロを処理する選手を連続撮影したとき、シャッタースピードは必ずしも一律ではなく、1/1,250秒が1/2,000秒に上がったり、1/1,000秒に低下したりすることもある。しかしその変化が適正露出を反映したものであれば、一連の撮影のなかでシャッタースピードが2倍(あるいは1/2)分の変化をしたものかどうか、写真を見るだけではまずわからない。
シャッタースピードが1/1,000秒程度でも被写体を的確に止めた写真が撮れるし、それが1/4,000秒になったからといって、より明確に被写体が静止するとは言い切れない(シャッタースピードが速くなっても、等倍表示で確認すると、たとえばボールは完全に止まっておらず、若干のブレ感が残っているものだ)。つまりある水準以上のシャッタースピードが確保できていれば、写真の仕上がりにバラつきが生じにくい ということでもある。

シャッタースピード優先で上述の変化に対応する場合、シャッタースピードが速くなる(あるいは遅くなる)のを避けるため、カメラは絞りを変化させてシャッタースピードを保とうとする。つまり絞り値が変わることで背景のボケ具合が変化する可能性がある。それが絞り1/3段程度(たとえばF4からF4.5など)なら変化に気づかないと思うが、1段以上(F4からF5.6以上)の変化となれば影響がないとは言えない。絞り優先でシャッタースピードが速くなる場合の変化と比べ、ボケ具合の変化はわかりやすいと思える。
適度なボケ感を保ちたい私としては、ボケ具合が変化する可能性は避けておきたいと思ってしまう。
また、光量が多くて絞り値がF10以上に絞られたとすると、被写界深度がかなり深くなり、300mmの望遠レンズを使っているのに、スタンドからメッシュフェンス越しに撮影する場合にはフェンスの影がボンヤリと写りこむことを何度か経験している。

つまり、きちんとシャッタースピードが確保できる日中の撮影では、(意図的にシャッタースピードを遅くして躍動感の表現を狙ったりするのではない)普通の撮り方をする場合、写真表現への影響が大きいのはシャッタースピードではなく絞りのほうであり、自分で絞り値をコントロールできる絞り優先での撮影のほうが私には好ましい ということである。

b0170881_20242373.jpg

第90回全国高等学校野球選手権記念大会 横浜vs広陵 2008.8.12撮影 (EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)
撮影モード:絞り優先AE, Tv=1/1,600sec, F4.0, ISO=200, 評価測光, 露出補正=+1/3, AI Servo AF, WB=Auto, jpeg


ご注意 : 2010年7月1日以降、記事の下欄に株式会社エキサイトによる広告が表示される場合があります


[PR]

by photomoments | 2010-11-03 20:11 | 野球写真撮影 | Comments(21)
2010年 04月 14日
パノラマ撮影と広角撮影
普段私が行っている仕事(つまりこれが本業ですね)である、建物の企画・開発・設計といった業務においてもカメラを使うことは多い。
もちろん普段から一眼レフを持ち歩いているわけではないので、仕事で建物を撮影したり、現場写真を撮影したりするときはコンパクトなデジカメを携行することになる。
建物撮影には広角レンズ、35mm判換算で焦点距離28mmのカメラがひとつの目安になるとされているが、私が使うデジタル一眼レフでは、APS-Cフォーマット対応レンズではEF-S10-22mmが35mm判換算で16mm~35mm相当の撮影域をカバー、1D3のフォーマットであるAPS-Hでは、EF17-40mmが35mm判換算で22mm~52mmをカバーしている。
つまり普通に考えれば十分に広角域をカバーできているのだが、それでも敷地の全景を1枚の写真に納めるのは難しい場合が多く、敷地の全景や周辺環境を説明するためには撮りたい範囲を分割して撮影するしかない。
それを、デジカメ以前の時代なら、プリントした写真を切り貼りしてつなぎ合わせてひとつの写真にするのだが、ゆがみも影響するため、継ぎはぎした部分がつながらない写真の仕上がりになってしまうし、露出・測光を固定しなければ写真の仕上がり自体もバラつきが大きい。
デジカメを使うようになり、Photoshopやカメラ同梱のソフトなどでパノラマ写真を合成できるようになって継ぎはぎ感満載の仕上がりからは解放されるようになったが、それでも1枚1枚の撮影の際にゆがみが抑えられるように考慮して撮影しなければうまく写真がつながらないことも多いし、露出・測光のバラつきによる仕上がりの拙さも生じやすい。

前置きが長くなったが、昨年勤務先でコンパクトデジカメを更改する際には、最近のデジカメのトレンドのひとつとして、広角端が28mmの壁を超えて24~25mmに達していることを重視し、広角に強い製品に絞り込んだ。
そのなかから決定したのが、SONYのサイバーショットDSC-WX1だった。
このカメラの魅力は、巷間評判になった世界初の裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R"よりも広角24mmというスペックにあったのだが、それ以上に魅力だったのがスイングパノラマ機能だった。
スイングパノラマ機能は、カメラを一定方向に振るだけで、最大256度のパノラマ写真を撮影できるというスグレモノで、カメラを動かす間に高速連写してカメラ内で画像をつなぎ合わせることにより、自動的にパノラマ写真が生成できるため、写真の継ぎはぎ具合に悩まされることがなくなった。
もちろん、デジタル一眼レフを三脚に据えて、厳密に撮影していけばスイングパノラマ機能よりも精度の高い写真が撮れなくはないが、業務で使う写真にそこまで手間をかけられないし、何より、カメラを構えてシャッターボタンを押したままスーッと水平移動させるだけで、撮影後ほどなくパノラマ写真が完成する手軽さは何物にも代えがたい。


仕事の写真をサンプルというわけにもいかないので、先日のセンバツ高校野球の際の写真から。
これが1D3+EF17-40mmで撮影した、35mm判換算で約22mmの広角端の写真。
b0170881_1511945.jpg

上の写真も十分広角なのだが、これをサイバーショットのスイングパノラマ機能で撮影したら…
b0170881_1501682.jpg

b0170881_150268.jpg

(下の画像は、クリックしたら大きい画像が開きます)
b0170881_7313092.jpg
b0170881_7313657.jpg

アングルは違うが、フィールドだけではなく、スタンドの広がり具合まで撮影できるようになる。
コンパクトカメラでの撮影ということもあり、等倍表示するとピント精度は甘いのだが、業務で説明するツールとしては十分わかりやすい機能で重宝する。

この機能も得手不得手がある。
室内撮影など比較的近い距離に壁面がある場合には、目の前の壁が遠近感が誇張された歪曲が際立ってしまって不自然な写真になるので、そのような場合は歪曲が目立たないアングルを確保するなり、スイングパノラマ機能に頼らずに撮影する必要がある。
とはいえ、コンパクトデジカメの特性を十全に発揮できる機能であることは間違いなく、顔認識機能やスマイルシャッターといった最近のコンパクトデジカメのトレンドに新たなトレンドを作りえる機能だと思う。
[PR]

by photomoments | 2010-04-14 07:49 | 機材紹介 | Comments(12)
2009年 12月 04日
野球写真撮影について(14):本塁クロスプレーの撮影-3
引き続き、本塁クロスプレーの撮影について掲載します。
今回はいままでとは逆アングルとなる、三塁側内野席からの撮影です。

私は試合撮影では一塁側内野席に陣取ることが多いのだが、試合途中で三塁側に移動して数イニング撮影するようにしている。
それは左打者の撮影や右投手の撮影を念頭においた対応なのだが、本塁クロスプレーとなった場合、三塁側からの撮影なら、迎え撃つ捕手を正面から撮影できる。
内野席からの撮影の場合、捕手のいい瞬間を撮影できる機会はどうしても限られるので、捕手の「見せ場」をきちんと撮りやすいという点で貴重だ。

b0170881_2265226.jpg

    ※クリックで拡大表示できます。
    平成21年度秋季京都府大会  洛星 vs 京都国際 2009.9.21撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

このプレーは、捕手への送球が本塁突入よりも幾分早く、余裕を持って捕手が処理できる条件だったこともあり、私も捕手にピントを確実に合わせて撮影できたと思う。
三塁側からの撮影では捕手を撮影しやすいことに加え、主審や次打者に被写体を遮られることが比較的少ないのも撮影上のメリットとして挙げてよさそうだ。

下の写真は三塁側から捕手の表情を撮影した写真のなかでもお気に入りの1枚。
b0170881_2271144.jpg

    平成19年度秋季兵庫県大会  神戸国際 vs 社 2007.9.29撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

走者に対峙する捕手の凛々しさを見せる社高校の元主将 田中捕手を、トリミングで大きく切り出してみた。
[PR]

by photomoments | 2009-12-04 22:09 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 11月 29日
野球写真撮影について(13):本塁クロスプレーの撮影-2
前回に引き続き、本塁クロスプレーの撮影についてです。

以前も書いたのだが、私の撮り方はどこかのポジションだけを集中して撮ることが少なく、打者を撮って打球を追い、守備機会を撮影するようにしている。
走者がいて本塁突入が予想される時には、打者→守備→走者とすべて撮影しようとするので、瞬間的に判断してレンズを振り、撮影することになる。
たとえば、一死三塁で外野に飛距離十分のフライがあがった場面であれば、犠牲フライによる本塁クロスプレーが予想される。
b0170881_20441054.jpg

    ※クリックで拡大表示できます。
    平成21年度秋季京都府大会  立命館宇治 vs 桂 2009.9.20撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

打者を撮影しやすいように、AFポイントは中央ではなく中央左上の1点を指定(赤く表示された□部)した以外、AFフレームの領域拡大などのカスタマイズ設定は前回と同様だ。
打球がどこに飛び、どんなプレーが展開するかわからない以上は、すべての撮影を行いたいと思ってしまう。
だからパッパッとレンズを振るので、短時間でしっかり走者にピントを合わせないとピンボケ写真を量産するだけになってしまう。
なお、最後のほうで主審に遮られて被写体を外してしまうのはいかんともしがたいところ…。


引き続いてここに掲載したのは、一塁側内野席からの撮影で、三塁を蹴って本塁へと突入する走者を追った一連の写真での失敗例。
b0170881_10502288.jpg

    ※クリックで拡大表示できます。
    第91回全国高等学校野球選手権京都大会  北桑田 vs 日吉ケ丘 2009.7.16撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

この事例でも、AFポイントは中央ではなく中央左上の1点を指定(赤く表示された□部)している。
1~3コマ目では走者を捕捉しているが、4コマ目で走者のピントがかなり甘くなり、5コマ目以降は完全にロストしている。
走者がスライディングをするから姿勢が低くなり、ロストしやすくなるという当たり前のことに私が追従できていない。
なお、11コマ目でピントが復旧しているのは、AFポイントに捕手を捉えたからだ。
動きから見て7~8コマ目が走者の表情を撮らなければならなかったシーンと思えるのだが、完全に失敗している。
ピントを大きく外しているにもかかわらずシャッターボタンを押し続けると、単なるピンボケ写真を量産してしまう典型例だ。
肝心のクロスプレーでロストしたことで判断が乱れてしまい、シャッターボタンから指を離して再フォーカスすることが頭から消えてしまっていたようだ。
撮影する側にとっても最も緊張するシーンであるクロスプレーだからこそ、ミスショットを減らせるように&瞬時の対応ができるように、冷静に撮影しなければいけなかったと思う。

今振り返ってみると、ピントを外したショットでは、被写体の追い方が中央に走者を捉えようとしているように思える(AFポイントを中央左上に指定しているのに)。
仮にAFポイントを中央1点に指定していれば、大半のショットは(AF領域拡大も含めれば)走者の姿を捉えていたと思われるので、ミスショットの割合は大きく減っていただろう。
本塁クロスプレー(=スライディング)が想定される場面では、中央1点のAF指定とするのが私には無難な設定と言えそうだ。
[PR]

by photomoments | 2009-11-29 21:29 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 11月 23日
野球写真撮影について(12):本塁クロスプレーの撮影-1
ここのところ野球関係の記事がなかったので、久しぶりの野球記事として、本塁クロスプレーの撮影についてアップします。

私が使っているEOS-1D MarkIII(1D3)は動体撮影能力に優れた機種で、秒あたりのコマ数の多さや追尾能力の高さに随分助けられている。
そんなカメラなのに、きちんと撮れる確率が低いのが、走者が本塁を目指して走ってくる本塁クロスプレー。

もちろん「クロスプレー」だから、捕手や主審、ときには次打席の打者までもがフレームに入ってきて走者と交錯するので、そもそもが撮影しづらい条件だ。
改めて写真をいくつか見直してみて、走者の手前に捕手等が入ってしまい、被写体(この場合走者)を遮られてピントを外すシーンが非常に多かった。
たとえば…

b0170881_13135621.jpg

    ※クリックで拡大表示できます。
    平成20年度秋季京都府大会  京都両洋 vs 京都学園 2008.9.20撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

このときには、オートフォーカスは中央1点を任意選択し(赤く表示されている部分)、被写体である走者を捕捉しているが、
5コマ目のカットで、カバーに入った投手に被写体を遮られている。
5コマ目・6コマ目はそれでも被写体にピントを合わせているが、7コマ目で投手にピントを持っていかれた。
撮影時の状況は覚えていないが、7~8コマ間の走者の動きが大きく遷移していることから、8コマ目は一度シャッターボタンから指を離し、再度フォーカスし直したのだと思う。
再フォーカスする判断で、8コマ目以降のクロスプレーを撮り逃さずに済んだといえる。
カメラだけを信じて撮影することも危険だが、クロスプレーは撮っている側も緊張したり興奮したりするシーンなので(僅差で終盤だったらなおさら)、
ピントが外れていてもシャッターボタンをそのまま押しっぱなしで、ピンボケ写真を量産することも…。

1D3には、クロスプレーのような撮りにくいシーンでの撮影をアシストするカスタマイズ項目が用意されている。
たとえば、動体撮影用のモードであるAIサーボ時の被写体追従敏感度の調整であり、オートフォーカスポイントを任意選択した時のAFフレーム領域の拡大であり、AIサーボ時の測距点選択特性などだ。
b0170881_14125459.jpg

簡単に言えば、被写体追従敏感度は「遅い」方に設定すれば、本来の被写体を遮るものを「障害物」と見なし、できるだけ無視しようとしてくれる。
AFフレームの領域拡大は、撮影者が任意で選択したAFポイントの周囲のポイントも活用してピントを合わせる機能だ。
測距点選択特性は「測距連続性優先」にすれば、従前からの被写体を優先し、手前に入った物を障害物として無視しようとする。

上に示した事例で、5コマ目・6コマ目で手前の投手にAFポイントを遮られたにもかかわらず、ピント自体は奥の走者に合焦したままなのは、
カスタマイズ設定を、被写体追従敏感度を遅くし、AFフレームを周囲1領域分のアシストを有効にして、測距点選択特性を測距連続性優先にしていたことで、
手前に入った投手を障害物と見なしてくれたからといえそうだ。
(7コマ目も粘り強く走者に食らいついてくれていたら…と思うのは欲張りだろうか?)


私の以前のメイン機種 EOS 30Dにはこれらのカスタマイズ項目が用意されていないので、こうしたシーンでは即座に投手にピントを合わせてしまっていた。
これはいい!と思った写真の、単体での出来栄えを比較すれば、プロユースの1D3も中級機の30Dも大きな差はないと思っているのだが、
そのための歩留まり、言い換えれば、撮り逃してしまう確率は、両者の間に大きな違いがあると思うし、そこに1D系の価値があると考えている。

今秋登場したEOS 7Dでは、これまで1D系にしか搭載されていなかった被写体追従敏感度・AFフレーム領域拡大・測距点選択特性の設定ができるようになったとのことだから、
スポーツを撮影するアマチュアカメラマンには朗報だと感じるし、1D系に迫る魅力ある機種だと思う。
[PR]

by photomoments | 2009-11-23 00:06 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 10月 16日
野球写真撮影について(11):投手の撮影-3
投手の撮影ポジションは、右投げ投手なら三塁側、左投げ投手なら一塁側からが、姿を正面から撮影できるので、素直にいい写真が撮れる。
また、バックネット裏から撮影すれば、ボールの軌跡や打者をも同じフレームに収めた写真も期待できるだろう。
b0170881_23161165.jpg


投手に正対する関係下での撮影なら、どんな瞬間を撮ってもいい感じに撮れると思う。
投球前の走者を目でひそかに牽制する表情も、投球を始めて足を高く上げた瞬間も、投球に移行した足が前面に接地する瞬間も、上体が本塁側に向き直る過程も。
b0170881_23165377.jpg
b0170881_2317766.jpg


逆に、背中を見る関係下での撮影になると、いい瞬間は限定されるようだが、投球後の表情は押さえておきたい。
b0170881_2325353.jpg

b0170881_232546100.jpg

b0170881_2321986.jpg
b0170881_2321195.jpg


マウンドから本塁寄りの撮影位置なら、上体が本塁側に向き始め、ボールをリリースする瞬間を狙うことが多い。
(投手を撮るなら本塁寄り、だが寄りすぎれば打者を撮るときには不利になると思う)
b0170881_2320239.jpg
b0170881_23203692.jpg


また、気合いを前面に出す投手なら、投げ終わった後のフォロースルーで見える表情を押さえたいところだ。
b0170881_23213699.jpg


(神戸弘陵vs尼崎小田以外の写真は EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM、神戸弘陵vs尼崎小田は EOS 30D + EF300mm F2.8L IS USM)
[PR]

by photomoments | 2009-10-16 23:48 | 野球写真撮影 | Comments(2)