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2011年 06月 13日
機材紹介 : EF17-40mm F4L USM
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EOS-1D MarkIII(以下1D3)を入手したあとで購入したレンズ。
APS-Hフォーマットの1D3にはAPS-C用のEF-Sレンズが使えないため、当時の手持ちレンズのラインアップでは、EF100mm F2.8 MACRO USM、EF300mm F4L IS USM(売却済)、EF300mm F2.8L IS USMしかセットできず、1D3に使える広角・標準域レンズが1本もなかった。
さすがにそれは不便だろうと思ったのでレンズ購入を検討したものの、サードパーティ製レンズで済ませることは考えなかったので、1D3で広角域をカバーするレンズとなると、EF17-40mmか、ずっと価格の高いEF16-35mm F2.8L USMといったところしかない。
主に風景や建物の撮影などに使う想定をしていたので、1段明るいF2.8である必要性をあまり感じなかったし、ズーム域全体でF4通しで使えればよいと考えた。
F4つながりでいえばEF24-105mm F4L IS USMも選択肢となるが、APS-Hフォーマットでは焦点距離が換算31mmスタートになってしまい、広角をカバーできないことから、選択肢は自ずとこのレンズに限られていたともいえる。

EOS 30Dと同時に購入したEF-S17-55mm F2.8 IS USMとは焦点距離が重複するため、似通った焦点域のレンズを複数有することになった。
EF-S17-55mm F2.8 IS USMも「隠れLレンズ」との評があるように画質のよいレンズだが、EF17-40mmは前玉部が迫り出さず、全長が伸縮しない構造であること、ズームリングとピントリングの滑らかな操作性、防塵・防滴構造の採用など、工業製品としての質感や作りの点で秀でており、所有する満足感はこのレンズのほうが高い。
USM(UltraSonic Motor:超音波モーター)の速度もなかなか速いので、撮影時のレスポンスも良好だ。

しかし、このレンズ付属のフード(EW-83E)は直径が大きくて不恰好。
レンズに逆付けでセットしても径が大きすぎてバッグに収納しづらく、取り外して収納することになるなど、あまりいただけない。
EF24-105mm用のレンズフード(EW-83H)を使う方も多いそうだが、APS-Hフォーマットに使う前提であれば、EF-S17-55mmのフード(EW-83J)をギリギリ流用できるので、私はEW-83Jを使っている(ただし、しっかりはめ込まないとフードが若干写り込むことに留意が必要だが)。

画質的には、EF-S17-55mmと比較して色ノリがよい印象がある。
広角端での歪曲収差はそれなりに存在するので、建築写真を精緻に撮ると、「撮って出し」の画像では歪みが気になってしまうが、RAWで撮影し、Digital Photo Professionalの歪曲収差補正機能を使えば問題はない。
歪曲収差はクリアできても、開放絞りで使うと、中心部の解像感はよいが、周辺部の画像がかなり流れてしまうという問題が残る。
使いはじめて何か月間かは気にしないで使っていたのだが、開放絞りのとき、画面中央部では近距離から無限遠まで結像しているのに、周辺部(長辺方向の端部)の画像が結像していないことに気がついた。
個体差にも起因すると思うのだが、いくら絞って使った場合でも画面左側の画像が流れやすい傾向が解消されることは少なく、このレンズを使うときの悩みどころとなっている(APS-Hフォーマットでもこの状態なので、35mmフルサイズでの使用ではどのような状態になるのだろうかと考えてしまう)。
なので、風景・静物を撮る場合やシャッタースピードが稼げない場合でなければ、2~3段分絞ったF8~F11あたりで使うようにしている。
F4レンズであれば開放絞りでシャープな画質を撮れることを期待したいところだが、開放絞りから撮影するのは個人的にはちょっと難しい印象だ。
しかし1D3用のレンズとして17-40mmには頑張ってもらわないといけないわけで、撮り方を工夫するなり、レンズの調整修理に出すなりして使い続けたいと思っている。

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作例写真(いずれもEOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

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この写真は画面周辺部でも像の流れがあまり見られず、全体に均質な解像感が得られている。

焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F16, Tv=1/200sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-1/3, OneShot AF, WB=Auto, jpeg


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この大きさの画像ではわかりにくいが、画面左側端部の枝葉の像は解像できずに流れている。

焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F8, Tv=1/800sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-2/3, OneShot AF, WB=Auto, RAW


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焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F8, Tv=1/400sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-1/3, OneShot AF, WB=Auto, RAW


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焦点距離=32mm(換算約42mm), 絞り優先AE, F5.6, Tv=1/25sec, ISO=800, 評価測光, 露出補正=±0, OneShot AF, WB=Auto, RAW

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by photomoments | 2011-06-13 01:01 | 機材紹介 | Comments(11)
2010年 04月 14日
パノラマ撮影と広角撮影
普段私が行っている仕事(つまりこれが本業ですね)である、建物の企画・開発・設計といった業務においてもカメラを使うことは多い。
もちろん普段から一眼レフを持ち歩いているわけではないので、仕事で建物を撮影したり、現場写真を撮影したりするときはコンパクトなデジカメを携行することになる。
建物撮影には広角レンズ、35mm判換算で焦点距離28mmのカメラがひとつの目安になるとされているが、私が使うデジタル一眼レフでは、APS-Cフォーマット対応レンズではEF-S10-22mmが35mm判換算で16mm~35mm相当の撮影域をカバー、1D3のフォーマットであるAPS-Hでは、EF17-40mmが35mm判換算で22mm~52mmをカバーしている。
つまり普通に考えれば十分に広角域をカバーできているのだが、それでも敷地の全景を1枚の写真に納めるのは難しい場合が多く、敷地の全景や周辺環境を説明するためには撮りたい範囲を分割して撮影するしかない。
それを、デジカメ以前の時代なら、プリントした写真を切り貼りしてつなぎ合わせてひとつの写真にするのだが、ゆがみも影響するため、継ぎはぎした部分がつながらない写真の仕上がりになってしまうし、露出・測光を固定しなければ写真の仕上がり自体もバラつきが大きい。
デジカメを使うようになり、Photoshopやカメラ同梱のソフトなどでパノラマ写真を合成できるようになって継ぎはぎ感満載の仕上がりからは解放されるようになったが、それでも1枚1枚の撮影の際にゆがみが抑えられるように考慮して撮影しなければうまく写真がつながらないことも多いし、露出・測光のバラつきによる仕上がりの拙さも生じやすい。

前置きが長くなったが、昨年勤務先でコンパクトデジカメを更改する際には、最近のデジカメのトレンドのひとつとして、広角端が28mmの壁を超えて24~25mmに達していることを重視し、広角に強い製品に絞り込んだ。
そのなかから決定したのが、SONYのサイバーショットDSC-WX1だった。
このカメラの魅力は、巷間評判になった世界初の裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R"よりも広角24mmというスペックにあったのだが、それ以上に魅力だったのがスイングパノラマ機能だった。
スイングパノラマ機能は、カメラを一定方向に振るだけで、最大256度のパノラマ写真を撮影できるというスグレモノで、カメラを動かす間に高速連写してカメラ内で画像をつなぎ合わせることにより、自動的にパノラマ写真が生成できるため、写真の継ぎはぎ具合に悩まされることがなくなった。
もちろん、デジタル一眼レフを三脚に据えて、厳密に撮影していけばスイングパノラマ機能よりも精度の高い写真が撮れなくはないが、業務で使う写真にそこまで手間をかけられないし、何より、カメラを構えてシャッターボタンを押したままスーッと水平移動させるだけで、撮影後ほどなくパノラマ写真が完成する手軽さは何物にも代えがたい。


仕事の写真をサンプルというわけにもいかないので、先日のセンバツ高校野球の際の写真から。
これが1D3+EF17-40mmで撮影した、35mm判換算で約22mmの広角端の写真。
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上の写真も十分広角なのだが、これをサイバーショットのスイングパノラマ機能で撮影したら…
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(下の画像は、クリックしたら大きい画像が開きます)
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アングルは違うが、フィールドだけではなく、スタンドの広がり具合まで撮影できるようになる。
コンパクトカメラでの撮影ということもあり、等倍表示するとピント精度は甘いのだが、業務で説明するツールとしては十分わかりやすい機能で重宝する。

この機能も得手不得手がある。
室内撮影など比較的近い距離に壁面がある場合には、目の前の壁が遠近感が誇張された歪曲が際立ってしまって不自然な写真になるので、そのような場合は歪曲が目立たないアングルを確保するなり、スイングパノラマ機能に頼らずに撮影する必要がある。
とはいえ、コンパクトデジカメの特性を十全に発揮できる機能であることは間違いなく、顔認識機能やスマイルシャッターといった最近のコンパクトデジカメのトレンドに新たなトレンドを作りえる機能だと思う。
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by photomoments | 2010-04-14 07:49 | 機材紹介 | Comments(12)
2010年 02月 20日
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)  設計:フランク・ロイド・ライト
先日、EOS Kiss X3の撮影フィーリングの確認を兼ねて、阪急神戸線 芦屋川駅の北側に建つ旧山邑家住宅(現ヨドコウ迎賓館)を初めて訪れた。

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( Eos Kiss X3 + EF-S17-55mm F2.8 IS USM )

芦屋から有馬に抜ける急勾配の道路の端緒、こんもりとした小高い丘に抱かれて存在する建物は、それと知らずに見ていると見過ごしそうな佇まいだ。

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( Eos Kiss X3 + EF-S17-55mm F2.8 IS USM )


酒造家 山邑太左衛門の別邸として計画されたこの建物は、1924(大正13)年の竣工。
近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright ,1867-1959)が日本で手がけた作品のうち、完全な状態で現存する唯一の作品として価値が高く、重要文化財に指定されている。
日本におけるライト作品で最も有名なのは(旧)帝国ホテルだが、これは正面玄関部のみ博物館明治村に移築保存されているため、往時の姿を留めるこの建物はやはり貴重だ。

しかし、実はライトの作品を実見するのは今回が初めて。
三大巨匠のル・コルビュジェ(Le Coubusier ,1887-1965)の作品はパリで、ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe ,1886-1969)の作品はベルリンで、それぞれ目にする機会があったが、日本で実作を残したライトを見ていないのには、有機的建築(Organic Architecture)と称されるライトの意匠に対する私のアレルギーが影響しているのだと思う。
鉄骨とガラスで構成されたミースの建物や、白い壁面が美しいコルビュジェの建物と比較して、クドいデザイン、情念的なおどろおどろしいライトのデザインは少々苦手だった。


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( Eos Kiss X3 + EF-S17-55mm F2.8 IS USM )

大谷石(おおやいし)を削って作られた幾何学的紋様が特徴的。こうしたデザインに苦手意識を感じていたのだが、実見するとさほど抵抗は感じなかった。

上の写真は建物のアプローチ部から2階の応接室を写したもので、応接室の下は車寄せとなっている。

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( Eos Kiss X3 + EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM )


車寄せの一部は芦屋の海側を見晴らすベランダがある。

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( Eos Kiss X3 + EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM )


ただ、残念ながら建物内の撮影は不可。
フォトブログとしてはなんとも消化不良なので、館内の売店で購入した書籍を紹介する という名目で、表紙に掲載された内部空間(2階の応接間)を…。

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( Eos Kiss X3 + EF-S17-55mm F2.8 IS USM )


写真なしで説明するのは難しいが、ライトの建物をこれまでなんとなく避けていたというのに、建物内部を体感して、その素晴らしさにかなりの衝撃を受けた。
最近見た建物のなかでは最も強いインパクトがあった。

現代の一般的な建築設計では、居室の天井高さは(たとえば2,400mmなどと)おおむね一律に定めていくし、床のレベル差についても、「バリアフリー」などの社会的要請から、住宅内の床レベルを2~3mm程度までに抑えることが求められるため、フラット設計を旨とした段差のない計画が一般的だ。
しかしこの建物の内部空間は、部屋ごと・用途ごとに多種の天井高さを使い分け、床レベルも数段分の段差を各所で設定していて、空間の動的な展開を体感できる。
天井高さについては、応接室のような「ハレの場」は別として、全般に低く設定されている。
たとえば応接室の直上部、3階の和室前室(家族室)などは天井に手が届くくらいの低さだが、メリハリの効いた空間操作が非常に心地よく、天井が低いことにより、かえって空間の豊穣さを認識させてくれる。

こうした床・天井の操作による空間効果・印象は、ライトとほぼ同時代に生まれ、ウィーンを中心に活動した建築家 アドルフ・ロース(Adolf Loos ,1870-1933)の空間構成に近いものと思えた。
特に、上述の和室前室(家族室)のしつらえは、ロースの住宅作品で頻出する婦人室(Zimmer der Dame)と呼ばれる小空間を強く想起させるものだ。
アドルフ・ロースは近代建築の嚆矢とも目される建築家であり、大学院で私が研究対象とした建築家でもあるのだが、第一次世界大戦前後の時代に、かたやアメリカ、かたやウィーンという隔たりのある建築家同士が強く影響し合ったとも思いづらい。
空間構成の前提となる建築計画自体は、ライトの計画は平面的に伸びやかな広がりを持ち、そのうえでの空間操作であるのに対して、ロースの計画は、全体形を広げていくのではなく、限られたボリュームの建物内を三次元的にどのように細分化していくか(ラウムプラン(Raumplan)と称されるロースの設計概念)を考え、空間の有効利用としての操作を行う というアプローチの相違があると思われる。
しかし各部屋単位で考えると、部屋ごとに適切に定められた天井高さが生み出す心地よさと空間の動的な展開は、両者の類似性を私に強く感じさせるものだった。


なお、今回撮影に使用したKiss X3の印象は、心配していたオートフォーカスの精度についても上々で、静物撮影には十分使えると思えた。
ただ、ボディがあまりにも軽くて、ストラップで肩にかけて歩いていてずり落ちないか不安に思えたり、グリップの大きさが1Dよりも随分小さいため、グリップを持って歩いていてもグリップ感に欠ける気がした。
ここまではある程度想定できたことだったが、サイズが小さいため、グリップに手をかけた際にレンズマウント部に近い部分に爪の先がしばしば当たり、ボディに白く引っかいた跡が残ってしまうのは予想外だった。
発色傾向については、ピクチャースタイルの設定やこの日が曇天だったことを勘案しても、1D3よりもアッサリしている印象で、この点には物足りなさを感じる。
黒つぶれを補正するオートライティングオプティマイザ機能(私の持つカメラでは初の機能)をONにして撮影したが、今回の撮影条件ではOFFにしたほうがよかった。
(RAWで撮影していたので、現像時にこの機能をOFFにしたショットが多かった)
RAW撮影なら後から対処できるが、Jpeg撮影のときには、オートライティングオプティマイザはONにしたままにせず、適宜使い分けたほうがよさそうだ。

Kiss X3にも少しずつ慣れていきたいと思う。
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by photomoments | 2010-02-20 21:00 | 建物・街・風景 | Comments(2)
2010年 02月 16日
新戦力? EOS Kiss X3
昨年キヤノンからは、秋には新カテゴリーの意欲作 EOS 7D、そして年末にはEOS-1D MarkIVと、スポーツ撮影を主な被写体とする私にとって手に入れたい機種の登場が相次いだ。
長く使用してきたサブ機、EOS 30Dは、サービスセンター窓口でのセンサークリーニングでは除去できないホコリが混入しており、絞り値を多少絞るだけでもはっきりと影が写るような状態にあること、メイン機EOS-1D MarkIIIとの階調表現の相違やシャドー部の表現などで見劣りすることなども勘案して、そろそろ代替機を検討しなければならない と考えていたところでもあった。

12万円台にまで価格が下がってきた7Dか、今1D MarkIIIを使用しているからにはプロユースのMarkIVを手にすべきなのか…
堂々巡りの思案を続けて未だ結論は出ないのだが、そんな思案をさらに難しくしているのが、昨年のフォトコンテストの副賞として手元に届いたEOS Kiss X3の存在だ。

Kiss X3は入門機としてはかなり高性能なカメラだという認識はあるのだが、以前妻用に買ったKiss Digital Xを使ったときのオートフォーカス精度の弱さやレスポンスの俊敏さに欠ける といった印象から判断して、Kissシリーズをスポーツ撮影用のサブ機としてガンガン使うのは少々心許ない。
図らずも自分が求めるコンセプトとは異なるカメラが手元に届くことになり、「もったいないけどたぶん使わないだろう」との思いから、未開封のままカメラ店に売って「軍資金」とした方がよいのかとまで考えたのだが、さすがにそれはバチ当たりだと思いとどまった。
とはいえ、どう使ってよいかわからないKiss X3は、自宅に届いたまま2ヶ月近く未開封。

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開封しない間に、後継機Kiss X4も発表になってしまった…。
そして何より、Kiss X3が手元に存在することで7DもMarkIVも何となく検討しづらくなってしまい、代替機の検討は八方ふさがりの状態に…。

でも、先日ようやくKiss X3を使ってみる気になり、箱から取り出してみた。
いただいたモノだから使わなければもったいないし、スポーツ撮影に使うのは苦しくても、建物の撮影など、じっくりと構えて撮影する目的であれば使えると思い直したからだ。
Kiss Digital Xで感じたオートフォーカスの弱さについては、Kiss X3になっていくらか改善したかと思われるし、1D MarkIIIでの経験から、本当に丁寧に撮りたければ、液晶モニターを見ながらライブビュー機能でピント合わせをすれば、この問題も克服できると思った。
ちなみに、Kiss X3の1500万画素という画素数は、800万画素の30Dに対して約2倍だ。
超広角レンズを使用して建物撮影を行うときには、カメラを水平に構えて建物がきちんと垂直になるように撮影しているが、この撮り方をすると写真の下半分は地面が写るため、半分ほどの画素数はロスしてしまう。
だからこそ、やや過剰とも思える1500万画素という画素数が有効に働くと思われる。
また、敢えてKiss X3でスポーツ撮影にトライしてみて、機材に頼らずどれほどの写真が撮れるのか、初心に戻って試してみたい とも思う。

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ちなみに外観は、なで肩のフォルムに見られるように、Kiss Digital Xと比べると全体的に滑らかな形状となった感じ。
特に内蔵ストロボ周りは形状がかなり整理され、上位機種の流麗なデザインに近い形状にまとめられている。

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プラスチック製の筐体なので、金属製の上位機の筐体と比べると、手にした際の感触に質感が欠けるのは否めないが、外見上はあまりチープに見えないところもGoodだ。

最近は街撮りや行楽に行く時にも気合いを入れて(?)、重くてかさばる1D MarkIIIを持ち出すのだが、Kiss X3で気軽に写真撮影に臨むのも悪くないかもしれない。
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by photomoments | 2010-02-16 23:17 | 機材紹介 | Comments(6)
2009年 12月 04日
野球写真撮影について(14):本塁クロスプレーの撮影-3
引き続き、本塁クロスプレーの撮影について掲載します。
今回はいままでとは逆アングルとなる、三塁側内野席からの撮影です。

私は試合撮影では一塁側内野席に陣取ることが多いのだが、試合途中で三塁側に移動して数イニング撮影するようにしている。
それは左打者の撮影や右投手の撮影を念頭においた対応なのだが、本塁クロスプレーとなった場合、三塁側からの撮影なら、迎え撃つ捕手を正面から撮影できる。
内野席からの撮影の場合、捕手のいい瞬間を撮影できる機会はどうしても限られるので、捕手の「見せ場」をきちんと撮りやすいという点で貴重だ。

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    ※クリックで拡大表示できます。
    平成21年度秋季京都府大会  洛星 vs 京都国際 2009.9.21撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

このプレーは、捕手への送球が本塁突入よりも幾分早く、余裕を持って捕手が処理できる条件だったこともあり、私も捕手にピントを確実に合わせて撮影できたと思う。
三塁側からの撮影では捕手を撮影しやすいことに加え、主審や次打者に被写体を遮られることが比較的少ないのも撮影上のメリットとして挙げてよさそうだ。

下の写真は三塁側から捕手の表情を撮影した写真のなかでもお気に入りの1枚。
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    平成19年度秋季兵庫県大会  神戸国際 vs 社 2007.9.29撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

走者に対峙する捕手の凛々しさを見せる社高校の元主将 田中捕手を、トリミングで大きく切り出してみた。
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by photomoments | 2009-12-04 22:09 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 11月 29日
野球写真撮影について(13):本塁クロスプレーの撮影-2
前回に引き続き、本塁クロスプレーの撮影についてです。

以前も書いたのだが、私の撮り方はどこかのポジションだけを集中して撮ることが少なく、打者を撮って打球を追い、守備機会を撮影するようにしている。
走者がいて本塁突入が予想される時には、打者→守備→走者とすべて撮影しようとするので、瞬間的に判断してレンズを振り、撮影することになる。
たとえば、一死三塁で外野に飛距離十分のフライがあがった場面であれば、犠牲フライによる本塁クロスプレーが予想される。
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    ※クリックで拡大表示できます。
    平成21年度秋季京都府大会  立命館宇治 vs 桂 2009.9.20撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

打者を撮影しやすいように、AFポイントは中央ではなく中央左上の1点を指定(赤く表示された□部)した以外、AFフレームの領域拡大などのカスタマイズ設定は前回と同様だ。
打球がどこに飛び、どんなプレーが展開するかわからない以上は、すべての撮影を行いたいと思ってしまう。
だからパッパッとレンズを振るので、短時間でしっかり走者にピントを合わせないとピンボケ写真を量産するだけになってしまう。
なお、最後のほうで主審に遮られて被写体を外してしまうのはいかんともしがたいところ…。


引き続いてここに掲載したのは、一塁側内野席からの撮影で、三塁を蹴って本塁へと突入する走者を追った一連の写真での失敗例。
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    ※クリックで拡大表示できます。
    第91回全国高等学校野球選手権京都大会  北桑田 vs 日吉ケ丘 2009.7.16撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

この事例でも、AFポイントは中央ではなく中央左上の1点を指定(赤く表示された□部)している。
1~3コマ目では走者を捕捉しているが、4コマ目で走者のピントがかなり甘くなり、5コマ目以降は完全にロストしている。
走者がスライディングをするから姿勢が低くなり、ロストしやすくなるという当たり前のことに私が追従できていない。
なお、11コマ目でピントが復旧しているのは、AFポイントに捕手を捉えたからだ。
動きから見て7~8コマ目が走者の表情を撮らなければならなかったシーンと思えるのだが、完全に失敗している。
ピントを大きく外しているにもかかわらずシャッターボタンを押し続けると、単なるピンボケ写真を量産してしまう典型例だ。
肝心のクロスプレーでロストしたことで判断が乱れてしまい、シャッターボタンから指を離して再フォーカスすることが頭から消えてしまっていたようだ。
撮影する側にとっても最も緊張するシーンであるクロスプレーだからこそ、ミスショットを減らせるように&瞬時の対応ができるように、冷静に撮影しなければいけなかったと思う。

今振り返ってみると、ピントを外したショットでは、被写体の追い方が中央に走者を捉えようとしているように思える(AFポイントを中央左上に指定しているのに)。
仮にAFポイントを中央1点に指定していれば、大半のショットは(AF領域拡大も含めれば)走者の姿を捉えていたと思われるので、ミスショットの割合は大きく減っていただろう。
本塁クロスプレー(=スライディング)が想定される場面では、中央1点のAF指定とするのが私には無難な設定と言えそうだ。
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by photomoments | 2009-11-29 21:29 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 11月 23日
野球写真撮影について(12):本塁クロスプレーの撮影-1
ここのところ野球関係の記事がなかったので、久しぶりの野球記事として、本塁クロスプレーの撮影についてアップします。

私が使っているEOS-1D MarkIII(1D3)は動体撮影能力に優れた機種で、秒あたりのコマ数の多さや追尾能力の高さに随分助けられている。
そんなカメラなのに、きちんと撮れる確率が低いのが、走者が本塁を目指して走ってくる本塁クロスプレー。

もちろん「クロスプレー」だから、捕手や主審、ときには次打席の打者までもがフレームに入ってきて走者と交錯するので、そもそもが撮影しづらい条件だ。
改めて写真をいくつか見直してみて、走者の手前に捕手等が入ってしまい、被写体(この場合走者)を遮られてピントを外すシーンが非常に多かった。
たとえば…

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    ※クリックで拡大表示できます。
    平成20年度秋季京都府大会  京都両洋 vs 京都学園 2008.9.20撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

このときには、オートフォーカスは中央1点を任意選択し(赤く表示されている部分)、被写体である走者を捕捉しているが、
5コマ目のカットで、カバーに入った投手に被写体を遮られている。
5コマ目・6コマ目はそれでも被写体にピントを合わせているが、7コマ目で投手にピントを持っていかれた。
撮影時の状況は覚えていないが、7~8コマ間の走者の動きが大きく遷移していることから、8コマ目は一度シャッターボタンから指を離し、再度フォーカスし直したのだと思う。
再フォーカスする判断で、8コマ目以降のクロスプレーを撮り逃さずに済んだといえる。
カメラだけを信じて撮影することも危険だが、クロスプレーは撮っている側も緊張したり興奮したりするシーンなので(僅差で終盤だったらなおさら)、
ピントが外れていてもシャッターボタンをそのまま押しっぱなしで、ピンボケ写真を量産することも…。

1D3には、クロスプレーのような撮りにくいシーンでの撮影をアシストするカスタマイズ項目が用意されている。
たとえば、動体撮影用のモードであるAIサーボ時の被写体追従敏感度の調整であり、オートフォーカスポイントを任意選択した時のAFフレーム領域の拡大であり、AIサーボ時の測距点選択特性などだ。
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簡単に言えば、被写体追従敏感度は「遅い」方に設定すれば、本来の被写体を遮るものを「障害物」と見なし、できるだけ無視しようとしてくれる。
AFフレームの領域拡大は、撮影者が任意で選択したAFポイントの周囲のポイントも活用してピントを合わせる機能だ。
測距点選択特性は「測距連続性優先」にすれば、従前からの被写体を優先し、手前に入った物を障害物として無視しようとする。

上に示した事例で、5コマ目・6コマ目で手前の投手にAFポイントを遮られたにもかかわらず、ピント自体は奥の走者に合焦したままなのは、
カスタマイズ設定を、被写体追従敏感度を遅くし、AFフレームを周囲1領域分のアシストを有効にして、測距点選択特性を測距連続性優先にしていたことで、
手前に入った投手を障害物と見なしてくれたからといえそうだ。
(7コマ目も粘り強く走者に食らいついてくれていたら…と思うのは欲張りだろうか?)


私の以前のメイン機種 EOS 30Dにはこれらのカスタマイズ項目が用意されていないので、こうしたシーンでは即座に投手にピントを合わせてしまっていた。
これはいい!と思った写真の、単体での出来栄えを比較すれば、プロユースの1D3も中級機の30Dも大きな差はないと思っているのだが、
そのための歩留まり、言い換えれば、撮り逃してしまう確率は、両者の間に大きな違いがあると思うし、そこに1D系の価値があると考えている。

今秋登場したEOS 7Dでは、これまで1D系にしか搭載されていなかった被写体追従敏感度・AFフレーム領域拡大・測距点選択特性の設定ができるようになったとのことだから、
スポーツを撮影するアマチュアカメラマンには朗報だと感じるし、1D系に迫る魅力ある機種だと思う。
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by photomoments | 2009-11-23 00:06 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 10月 16日
野球写真撮影について(11):投手の撮影-3
投手の撮影ポジションは、右投げ投手なら三塁側、左投げ投手なら一塁側からが、姿を正面から撮影できるので、素直にいい写真が撮れる。
また、バックネット裏から撮影すれば、ボールの軌跡や打者をも同じフレームに収めた写真も期待できるだろう。
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投手に正対する関係下での撮影なら、どんな瞬間を撮ってもいい感じに撮れると思う。
投球前の走者を目でひそかに牽制する表情も、投球を始めて足を高く上げた瞬間も、投球に移行した足が前面に接地する瞬間も、上体が本塁側に向き直る過程も。
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逆に、背中を見る関係下での撮影になると、いい瞬間は限定されるようだが、投球後の表情は押さえておきたい。
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マウンドから本塁寄りの撮影位置なら、上体が本塁側に向き始め、ボールをリリースする瞬間を狙うことが多い。
(投手を撮るなら本塁寄り、だが寄りすぎれば打者を撮るときには不利になると思う)
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また、気合いを前面に出す投手なら、投げ終わった後のフォロースルーで見える表情を押さえたいところだ。
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(神戸弘陵vs尼崎小田以外の写真は EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM、神戸弘陵vs尼崎小田は EOS 30D + EF300mm F2.8L IS USM)
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by photomoments | 2009-10-16 23:48 | 野球写真撮影 | Comments(2)
2009年 10月 13日
野球写真撮影について(10):投手の撮影-2
前回の続きです。

  前回記事では、投球フォームの撮影で秒3コマの連写では動きがかなり「飛び飛び」になってしまうことや、
  コマ数が増えたからといって、この目で見た「美しいと感じた瞬間」が必ずしも撮れるわけではないこと、
  それを撮ろうとする場合は、ワンショットで押さえることも多いこと、そしてそのためには、カメラのレリーズタイムラグを体得しておきたいこと
  などを書いた。
 
野球は試合中の折々に投球練習を行うので、これを撮影(試写)してタイミングを見計らったり、写真映えする姿の見極めを行えるから、
レリーズタイムラグの把握などのためにも、これを使わない手はない。
何試合も繰り返し試しているうちに、ボールをリリースする瞬間などは高い確率で撮影できるようになると思う。


また投手は野手とは違って、決まった位置で構えて、プレートに足をかけて投げるわけだから、立ち位置は大きく変わらない。
だから極論すれば、動体予測AFを使わず、ピント固定でも対処できる。

(厳密に言えば、被写体が動いているのでピントは若干ずれるはずだが、
 バックネット裏からの撮影では被写体が前方に大きく踏み出すから合焦位置が大きく変化するのに対して、
 コーチャーズボックス付近の内野席から撮影するなら、被写体の推移の程度は撮影上支障のない、許容できる程度だと思う)

つまり、入門機といわれるカメラでも、ワンショットでいい瞬間を撮影できる可能性は非常に高い。
その意味で、投手の撮影は野球写真撮影の基本だし、取り組みやすい撮影だと思う。

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  第88回全国高等学校野球選手権大会 今治西vs文星芸大附 2006.8.13撮影( α SWEET DIGITAL + SIGMA APO 100-300mm F4 EX DG)

いわゆる入門機で撮影した写真。
ピント固定&ワンショット撮影で、文星芸大附 佐藤祥万投手の投球フォームがダイナミックに見える瞬間を狙った。
これまでの記事でも触れたが、この時使っていた機材はカメラ・レンズともに超音波モーター非搭載のため、
動体予測AFでの撮影が難しいことから、ピント固定で一瞬に賭ける撮影をしていた。
PCで等倍表示したら現行機材での撮影よりも甘い写真なのだが、ブログ上にリサイズして掲載するなら、そうしたアラもほとんどわからない程度になる。
(ちなみにこの時の撮影モードはシャッター速度優先モードで、シャッタースピード:1/1,250秒、F値:4.5、ISO感度:160)
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by photomoments | 2009-10-13 07:26 | 野球写真撮影 | Comments(5)
2009年 10月 11日
野球写真撮影について(9):投手の撮影-1
野球写真を撮影して投手を撮影しない人はおそらく稀だろう。
今回からしばらくは、投手の撮影について綴ってみたい。

投手の投球フォームを撮影するなら、最も写真映えする瞬間がどこなのかを見極めたい と思う。
私も以前は何も考えずに撮影していた時もあった。無論それはそれで撮れるのだが、連写のコマ数が少ないと、写真映えする瞬間を撮り逃すことも多かった。
その点、秒10コマ連写が可能な今のカメラでは撮り逃す確率は低いから、試合中に1度ないし2度は、一連の投球フォームを連写で撮影している。


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    平成19年度秋季京都府大会  乙訓 vs 伏見工 2007.9.24撮影(EOS-1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

これを便宜的に間引いて、入門機の一般的なスペックである秒3コマをイメージすると下の写真のようになる。
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最初の写真と比較すると、ざっと3~4コマ分ほど間隔が開いてしまうので、連写といってもかなり飛び飛びになる印象だ。
最初に使ったデジタル一眼レフは秒3コマだったので実感として覚えているのだが、秒3コマではカッコいいフォームが撮れないことが多かった。
だから当時は「決め打ち」で、ワンショットに賭けたほうがいい瞬間が撮影できた。

現在の中級機がクリアしている秒5~6コマでは下の写真のようになり、連写と称するにふさわしい感じになる。
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それでも、投球する腕の動きは非常に速いから、ボールをリリースするタイミング付近ではコマ数が不足する印象があるかもしれない。
(ただこの印象は、秒10コマでも同様だと思う)

このように比較したら、秒10コマ連写なら大体の瞬間を撮れていそうなものだが、
ファインダー越しにこの目で見た「美しいと感じた瞬間」は、秒10コマでも撮れていないことがある。
だから、ボールをリリースする瞬間が撮りたい とか、顔が正面を向く瞬間が撮りたい といったような「自分が撮りたい瞬間」が明確な場合は、
連写に頼らず、ワンショットで押さえることも多い。
そのほうが確実に欲しい写真を得ることができる。

そのためには、シャッターボタンを押してから実際の撮影ができるまでの時間差(レリーズタイムラグ)は体得しておきたい。
投手がボールをリリースする瞬間に狙いを定めてトライしてみると、そのカメラのタイムラグがよくわかると思う。
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by photomoments | 2009-10-11 01:12 | 野球写真撮影 | Comments(10)