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2009年 08月 11日
野球写真撮影について(6):フェンス-2
前回の続きです。

撮影上のフェンスの影響について:

望遠レンズを使い、フェンスを眼前にして撮影する場合、太陽光の加減で極端な乱反射が生じている場合を除くと、AF精度的にはフェンスによる大きな悪影響はないと思う。
ただしその場合でも、フェンスの横部材がレンズのど真ん中に位置したら、画質・AF精度ともに少々気になるので、ほんの1cmでも一脚・三脚の高さを微調整し、横部材をなるべく回避したほうがベター。
なので私は、時々カメラ・レンズ・フェンス・被写体の高さ関係を横から見て確認するようにしている。

また、ご存知のとおり、フェンスから距離がある状況でフェンス越しの撮影を行う場合は、フェンスがボケ切らないし、使っているレンズの最短撮影距離によっては、フェンスにピントを合わせてしまうことにもなりかねない。
当然ながら、焦点距離が長いほど、フェンスの悪影響や存在感は回避しやすい。
たが、本塁での整列やスコアボード全体の撮影をしたいときは焦点距離100mm程度の広角寄りにしなければならず、そうなるとフェンスの影がぼんやりと写り込むようになる。
ここに掲載した試合開始時の整列時の写真は、焦点距離70mm(EOS 30Dで撮影したので、×1.6倍で換算112mm)だが、フェンスの縦部材が2本浮き上がっている。
野球写真撮影について(6):フェンス-2_b0170881_953862.jpg

(EOS 30D + EF70-200mm F4L IS USM)

これは観客席近くで西京高校が試合前の円陣を組んでいるシーン。
焦点距離70mm(×1.6倍で換算112mm)で撮影したが、縦横に流れるフェンスの姿が、特に横部材は右下がりに軽い乱反射をしている。
野球写真撮影について(6):フェンス-2_b0170881_9532020.jpg

(EOS 30D + EF70-200mm F4L IS USM)

焦点距離100mmくらいでこの状態だから、ベンチ前で選手が整列し、スタンドに向かって挨拶するシーン(焦点距離が30mm~50mmくらい)であれば、フェンスがはっきり写ってしまう。
一眼レフのレンズでは、フェンスの隙間にレンズを突っ込むこともできないのが泣き所だ。
(だからこの時だけは、フェンスの隙間にレンズを突っ込んで撮影可能なコンパクトカメラの方が強みを発揮しそう)
とはいっても、常にコンパクトカメラを持参しているわけではないので、フェンス最前列を離れ、300mmのレンズをつけたままで全体を収められ、かつフェンスを回避できる高さに移動して、試合開始時の整列や試合終了後の校歌斉唱を撮影することもある。

このように、「フェンス対策」の意味でも、撮影位置を固定せずに、よりよいポイントを求めて移動するのも大事なことだと思う。
敢えて被写体から離れることで、少し違った趣のある写真が撮れることもメリットかもしれない。
野球写真撮影について(6):フェンス-2_b0170881_10311447.jpg

(EOS 1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)
野球写真撮影について(6):フェンス-2_b0170881_10312661.jpg

(EOS 1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

また、開放絞りに近いほどフェンスの存在は無視できるので、その点でも絞り過ぎずに撮影したほうが望ましいと思う。
私が使っている焦点距離300mmのレンズでも、絞り優先で通常設定しているF4~5であればもちろんのこと、F8程度のときにもあまり気付かなかったのだが、
F10くらいでもわずかに、F14くらいまで絞ればより強くフェンスの影が画像内に浮かんでくる。
(既出の画像だが)この写真は、京都No.1右腕と称された福知山成美の長岡投手をスローシャッターで押さえることで彼の魅力を引き出せないかと試したものだが、シャッタースピードを1/100秒に落とすためにF14まで絞って撮影したら、写真の右側と左側にフェンスの影が浮かんでいた(撮影時には気付かなかったが…)。
野球写真撮影について(6):フェンス-2_b0170881_9504745.jpg

(EOS 1D MarkIII + EF300mm F2.8L IS USM)

by photomoments | 2009-08-11 11:00 | 野球写真撮影 | Comments(3)
Commented by kou-ramu at 2009-08-12 23:49
そうなんですよね~!!  ネックなフェンス!
昔、甲子園のアルプスのチケット頂いて行ったのですが、
何とネット3枚重なって、写真どころか見るのもうっとうしい場所がありましたよ・・・・
私の場合、最前~10段位までは328で行くのですが、
後は、場所によってx1.4を使うか500㎜を持って行くかです。
500ミリ持って行くときは、ほとんど上の方なので、ネットは邪魔に
ならないのですが・・・・・
中途半端な席は、photomomentsさんが書かれてる通りAFが
たまにネットにピント合ったりして・・・・・
アメリカの球場の様にネット無しって・・・・  やっぱり怖いですね!!

Commented at 2009-08-13 00:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by photomoments at 2009-08-13 10:11
kou-ramuさん、おはようございます。コメントありがとうございます。

ネットが三重って、そんな場所があるんですか!今は解消されたんでしょうか?

kou-ramuさんは500mmをお持ちなので、非常にうらやましいです。
昨日甲子園に観戦に行ってきましたが、500mmF4か400mmF2.8が欲しくなりました。
もう少し大きく切り取りたいと思ってしまうことと、周囲に400mm、500mm、600mmのレンズがゴロゴロ存在してるので、目に毒です(笑)。
エクステンダーx1.4も持参して試してみました。
画角はいい感じなのですが、ピントが甘かったです(マイクロアジャストメントで調整してみたいと思います)。

甲子園改装後の最前列は足元が広くなって、膝がつっかえるような窮屈さは解消され、それはよいことなのですが、
フェンスまでの距離が長くなってしまい、フェンスが乱反射した時は特にピントが合わせにくくなった気がします。
観戦の快適性との兼ね合いが、我々にとっては難しいですね。
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