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2011年 06月 13日
機材紹介 : EF17-40mm F4L USM
機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_15553828.jpg

EOS-1D MarkIII(以下1D3)を入手したあとで購入したレンズ。
APS-Hフォーマットの1D3にはAPS-C用のEF-Sレンズが使えないため、当時の手持ちレンズのラインアップでは、EF100mm F2.8 MACRO USM、EF300mm F4L IS USM(売却済)、EF300mm F2.8L IS USMしかセットできず、1D3に使える広角・標準域レンズが1本もなかった。
さすがにそれは不便だろうと思ったのでレンズ購入を検討したものの、サードパーティ製レンズで済ませることは考えなかったので、1D3で広角域をカバーするレンズとなると、EF17-40mmか、ずっと価格の高いEF16-35mm F2.8L USMといったところしかない。
主に風景や建物の撮影などに使う想定をしていたので、1段明るいF2.8である必要性をあまり感じなかったし、ズーム域全体でF4通しで使えればよいと考えた。
F4つながりでいえばEF24-105mm F4L IS USMも選択肢となるが、APS-Hフォーマットでは焦点距離が換算31mmスタートになってしまい、広角をカバーできないことから、選択肢は自ずとこのレンズに限られていたともいえる。

EOS 30Dと同時に購入したEF-S17-55mm F2.8 IS USMとは焦点距離が重複するため、似通った焦点域のレンズを複数有することになった。
EF-S17-55mm F2.8 IS USMも「隠れLレンズ」との評があるように画質のよいレンズだが、EF17-40mmは前玉部が迫り出さず、全長が伸縮しない構造であること、ズームリングとピントリングの滑らかな操作性、防塵・防滴構造の採用など、工業製品としての質感や作りの点で秀でており、所有する満足感はこのレンズのほうが高い。
USM(UltraSonic Motor:超音波モーター)の速度もなかなか速いので、撮影時のレスポンスも良好だ。

しかし、このレンズ付属のフード(EW-83E)は直径が大きくて不恰好。
レンズに逆付けでセットしても径が大きすぎてバッグに収納しづらく、取り外して収納することになるなど、あまりいただけない。
EF24-105mm用のレンズフード(EW-83H)を使う方も多いそうだが、APS-Hフォーマットに使う前提であれば、EF-S17-55mmのフード(EW-83J)をギリギリ流用できるので、私はEW-83Jを使っている(ただし、しっかりはめ込まないとフードが若干写り込むことに留意が必要だが)。

画質的には、EF-S17-55mmと比較して色ノリがよい印象がある。
広角端での歪曲収差はそれなりに存在するので、建築写真を精緻に撮ると、「撮って出し」の画像では歪みが気になってしまうが、RAWで撮影し、Digital Photo Professionalの歪曲収差補正機能を使えば問題はない。
歪曲収差はクリアできても、開放絞りで使うと、中心部の解像感はよいが、周辺部の画像がかなり流れてしまうという問題が残る。
使いはじめて何か月間かは気にしないで使っていたのだが、開放絞りのとき、画面中央部では近距離から無限遠まで結像しているのに、周辺部(長辺方向の端部)の画像が結像していないことに気がついた。
個体差にも起因すると思うのだが、いくら絞って使った場合でも画面左側の画像が流れやすい傾向が解消されることは少なく、このレンズを使うときの悩みどころとなっている(APS-Hフォーマットでもこの状態なので、35mmフルサイズでの使用ではどのような状態になるのだろうかと考えてしまう)。
なので、風景・静物を撮る場合やシャッタースピードが稼げない場合でなければ、2~3段分絞ったF8~F11あたりで使うようにしている。
F4レンズであれば開放絞りでシャープな画質を撮れることを期待したいところだが、開放絞りから撮影するのは個人的にはちょっと難しい印象だ。
しかし1D3用のレンズとして17-40mmには頑張ってもらわないといけないわけで、撮り方を工夫するなり、レンズの調整修理に出すなりして使い続けたいと思っている。

機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_15555917.jpg



作例写真(いずれもEOS-1D MarkIII + EF17-40mm F4L USM)

機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_2259053.jpg

この写真は画面周辺部でも像の流れがあまり見られず、全体に均質な解像感が得られている。

焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F16, Tv=1/200sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-1/3, OneShot AF, WB=Auto, jpeg


機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_2332334.jpg

この大きさの画像ではわかりにくいが、画面左側端部の枝葉の像は解像できずに流れている。

焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F8, Tv=1/800sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-2/3, OneShot AF, WB=Auto, RAW


機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_22595264.jpg

焦点距離=17mm(換算約22mm), 絞り優先AE, F8, Tv=1/400sec, ISO=200, 評価測光, 露出補正=-1/3, OneShot AF, WB=Auto, RAW


機材紹介 : EF17-40mm F4L USM_b0170881_230554.jpg

焦点距離=32mm(換算約42mm), 絞り優先AE, F5.6, Tv=1/25sec, ISO=800, 評価測光, 露出補正=±0, OneShot AF, WB=Auto, RAW


by photomoments | 2011-06-13 01:01 | 機材紹介 | Comments(11)
Commented by shi-taka5151 at 2011-06-13 22:25
EF-S17-55mm F2.8 IS USMって、僕も持ってます。
高校野球では、応援風景を撮るのに使っていますが、僕はこのレンズは苦手なんですよね(笑)
短いレンズは普段は全然使わないので・・・・・・
でも、フィッシュアイが欲しいです。
Commented by Eu_ion at 2011-06-13 23:47 x
左に流れるということですが、
それって、あのトルソの時以降ではないでしょうか?
少しあのときのことが心配になったりします。

下の話の続きですが、
私の場合どうもさらっと撮るということができないようで
楽器を構えるのと一緒でカメラを構えたら
自分のパフォーマンスを最大限引き出す全力でしか撮れないようです。
コンデジであっても、携帯カメラであっても
そのカメラで引き出せる最大を試みてしまうようで
そのあたりの感覚が分からないのかもしれません。

話を戻しますが、お気に入りのレンズも一度落下しているので
綿密にピントを考えてやる必要がありそうです。
Commented by photomoments at 2011-06-14 09:12
shi-takaさん、おはようございます。
EF-S17-55mm お持ちでしたか!
安定した描写力という点ではEF-S17-55mmのほうが勝っているように思います。
ぜひぜひ積極的に使ってください!

shi-takaさんだったら、フィッシュアイレンズよりも先に望遠単焦点レンズのような気がしますけど…(笑)。
Commented by photomoments at 2011-06-14 09:19
Eu_ion さん、おはようございます。

トルソ。つまり彫刻除幕式のときですね…。
あのときはレンズがポケットから落ちて転がってしまい、えらい大変な思いをしました。
あれ以来、いい経験を積ませてもらっています。

だけど、このレンズの像が流れる傾向はそれ以前からなんです。
とはいえ、おっしゃるように、レンズの調整については本気で考えたほうがいいかもしれません。
Commented by jvd at 2011-06-14 11:15 x
・私は30DにEFS10~22mmをつけたままにしています。
撮影時は1DM4と2台持ち出すようにしています、大ビルは既に
取り壊しが完了していますね、転籍まで勤めていたビルが後ろに
あり若干懐かしい感じです。
Commented by ゼク at 2011-06-14 18:45 x
僕は結局16-35/2.8の方を買いましたが、やはり広角レンズは
1本欲しいですね。最近はサーキットでもAPS-H+16-35で
よく使っています。以前は5D2+24-70で使っていたのですが、
24-70があまりに重たいので16-35で重宝しています。

それにしてもダイビルは本当に惜しいですね。
あの風格は年月を重ねないと絶対に得られるものではありません。
テラコッタ等、細部まで本当に手の込んだ名作でしたね・・・・。
Commented by photomoments at 2011-06-15 06:48
jvdさん、おはようございます。
私もEF-S10-22mmを持っています。風景写真・建築写真の撮影時に重宝しています。
ここしばらくはダイビル方面に足を運んでいないので、解体後の様子はまだ見ていないんです。それにしても残念ですね。

後ろのビルでお勤めでしたか!
今回の記事のために、撮りためた写真を改めて見返していて、
周辺部まできちんと撮影できた写真として見つけたのがこの写真でした!
Commented by photomoments at 2011-06-15 06:58
ゼクさん、おはようございます。

ゼクさんは16-35mmなんですよね。
II型はいろいろ改善が図られているようで、いいですよね。
店頭で試しましたが、24-70mmは重たいレンズでした。70-200mmF4よりも重いなんて…。

以前にも書きましたが、2年前にダイビルを撮りに行ったのはゼクさんの写真を見たからです。
ゼクさんのおかげで解体前のダイビルをきちんと見ることができたわけで、感謝感謝です!
Commented by ゼク at 2011-06-15 20:16 x
渡辺節作品は、既に行かれている綿業会館や神戸にある
大阪商船神戸支店がまだ残っていますね。

ダイビルのあのファザードはやっぱり現在の新築建築には出せない
味がありましたもんね!
16-35もいいですが、言われる通り広角は絞るので特殊な使い方を
しない限り17-40/4で十分だと思います!
Commented by photomoments at 2011-06-16 07:32
ゼクさん、おはようございます。
大阪商船神戸支店はきちんと見たことがないのですが、ダイビルがなくなった今、だんだん貴重な存在になっていきますね。
渡辺節の建物からは過度な意匠性を感じず、機能面とのバランス感覚に優れていると思います!

Commented by taro at 2013-03-29 00:17 x
もしよかったら教えて頂きたいのですが、EW-83Jの色はEW-83H比べると薄いでしょうか?
アップされている写真を見て気がつきました。
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