2011年 11月 12日
野球写真撮影について(17): ボールにピントを合わせる
半年以上前に、スポーツカメラマンの先駆者のお一人であり、かつ株式会社アフロ代表取締役を務める青木紘二さんのインタビュー記事を読んだ。
そのなかでも特に印象的だったのが、ピッチャーが投じたボールにピントを合わせた写真を撮影したエピソード。
その遊び心と、時速140kmほどのスピードで飛んでくるボールを絶対に写し取ろうという意欲が一つになった写真で、5球くらいトライして撮影した とのことだった。
マンネリに陥ることなく、新しい撮り方を工夫していかねばならないのだと考えされられもした。

それが脳裏に残っていて、夏の高校野球を撮影した際に、合間合間で同様な撮影を試みた。
初めてトライした試合が立命館宇治vs京都両洋の一戦で、1回目で撮れたのが下の写真。立命館宇治の福本投手が投げたボールを撮影した。

b0170881_05709.jpg


当然ながら、投げられたボールにオートフォーカスを追従させるのは不可能。だから適当な位置でピントを固定し、置きピンで適切にタイミングをとって撮影する。
マウンド上のプレートからホームベースまでの距離をおよそ0.5秒で到達するボールには秒10コマの連写でも対応できないので、ワンショットでの撮影。
連写モードだとしても最初の1枚しかモノにならない。

b0170881_0591326.jpg


撮影位置はマウンド~ホームベース間の延長線上が構図的に面白いと思う。
(青木さんが撮影された写真もこのポジション。ただし焦点距離の長い(400mm?)レンズでの撮影なのでボケ具合は私の写真よりずっと大きい)
下の写真は龍谷大平安の甲子園練習のときに撮影した1枚。選手たちにピントが合わない中でボールだけにピントが合い、縫い目が見え、ボールが空中で静止しているような写真が撮れた。

b0170881_0582122.jpg


ボールにピントを合わせるといっても、実際には、「置きピン」で定めた被写界深度内をボールが通過するごく一瞬を狙ってシャッターを切る行為。
「置きピン」の位置は投手・打者を収める構図であればその中間域、投手のみを背後に収めるならホームベース寄りにセットしたほうが、プレイヤーの姿が大きくボケる。
もちろん開放絞りか小絞り程度でボケ具合とシャッター速度を稼ぐことも狙って。

b0170881_0592087.jpg


これらの撮影は、撮影の感覚を研ぎ澄ますよいトレーニングになると思う。
(かくいう私の成功率は4割程度といったところです…)
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by photomoments | 2011-11-12 23:00 | 野球写真撮影 | Comments(13)
Commented by ゼク at 2011-11-13 09:33 x
これは面白いですね!!
僕も今度挑戦してみたいと思います!
しかし天気のいい日にSS高めでやってみたいですね~~!
Commented at 2011-11-13 15:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2011-11-13 16:28 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by photomoments at 2011-11-13 19:04
ゼクさん、こんばんは!
ゼクさんは早い被写体には慣れていると思いますが、この撮影は面白いと思いますよ。

ずっと以前にゼクさんから、ピッチャーが投げたボールは、(秒10コマのカメラでも)コマ間に4m以上進む計算だから…
といったコメントをいただいたことがあります。
被写界深度を計算すると、ピントの合う範囲はせいぜい1m程度と思われますので、アロワンスは時間にすると0.03秒ほどの一瞬です。

…でも、もうこれは理論ではなくてタイミングや勘の世界ですね。

Commented by photomoments at 2011-11-13 19:19
鍵コメ(@15:37)さん、こんばんは。お久しぶりです&近況報告ありがとうございます。
今は体調は大丈夫ですか?それならよかったです。
ですがあまり無理はなさらないようにして下さい。

冬になるから、息子さんも基礎的練習中心のメニューになるでしょう。
その間にケガも治るといいですね。

進学・就職先でも野球を続ける子、高校で野球を終える子、
道は分かれますが、それぞれの決めた道をしっかりと進んでもらいたいです!

Commented by ジュニアユース at 2011-11-13 21:10 x
こんにちは。
これはも、技量と経験と反射神経と勘の勝負ですね。サッカーボール
ならできますけど、野球のボールはなかなか難しいでしょうね。成功率
4割は凄いことだと思います。
Commented by photomoments at 2011-11-13 22:44
鍵コメ(@16:28)さん、こんばんは。
これは夏の大会で試した内容なので、もっと早くアップできていればよかったのですが、試合の記事そのもののアップが捗らなくて遅くなりました。
もっと早ければ秋季大会で試していただけたんですけどね…。

ブログ再スタートされたんですね。
私も再リンクしました。これからもよろしくお願いします。

Commented by photomoments at 2011-11-13 22:56
ジュニアユースさん、こんばんは。

おっしゃるとおりで、反射神経と勘が必要ですね。
1Dと単焦点レンズを使っていると機材に助けられる場面が多々ありますので、時にはこんな撮り方で自分を見直すのもよさそうです。
成功率については、投手の投球でボールがリリースされる瞬間にタイミングを合わせることに慣れているので、
そこからのタイムラグを適宜勘案できるからまずまずの値なのかな?と思います。

ただ…、この撮影で写真の出来映えを求めれば、望遠効果を求めたくなるので、400mmクラスのレンズが欲しくなるのが困りものです(笑)。

Commented by hiroki at 2011-11-16 08:32 x
これは面白い!
次回の撮影のときに試したいと思います!
Commented by photomoments at 2011-11-17 07:33
hirokiさん、おはようございます。

ぜひぜひトライしてみてください!間違いなく面白いと思うはずです。
1回目で撮れたときは、私はそのことに満足しましたが、凝りはじめると構図等々こだわりたくなりました。
hirokiさんもそうなるかもしれません(笑)。

Commented by mozq at 2011-11-17 09:04 x
お久しぶりです。お忙しくもお元気そうですね。
先日、平山郁夫美術館へ行ってきました。
それも良かったけれど、尾道の「かわぐちかいじ展」が実にイイ。
野球コミックも描かれていました。
コミックからヒントを得ることがあります。

以前、投球をMFと、勘でピントリングを回しながら連写したことがあります。
合焦部分の小さいのが難ですが、ボケ部分に文章を入れると見栄えします。
投手や打者の気持ちを聞き書き、あるいは観戦の印象など。

詩性を感じる写真と仕上がりの綺麗なことにいつも感心しています。
オフシーズンに入りますが、球児たちに接近できる機会も増えます。
広角でグッと迫ってみようと思っています。またお邪魔しす。
Commented by photomoments at 2011-11-17 23:13
mozqさん、こんばんは。
ちょうど今朝mozqさんのブログを見て「うちの故郷にいらっしゃったんだ!」と思ったところでした。
(仕事に行く時間目前だったのでコメントできずに出勤し、後でコメントしようと考えていました)
お会いしたことのある方のブログで私の故郷の写真を見るというのは、なんとも嬉しいですね!
私の実家は平山郁夫美術館から車で数分のところなんですよ。
かわぐちかいじの漫画は私もいくつか読んでいますが、野球も描かれているとは知りませんでした。

私はmozqさんのように写真に文章を重ねるのは難しいかなぁ…。
おそらく文章を作るのに考え込んでしまいそうです。
でもいつかは手がけてみたいですね。

オフシーズン、私も今シーズンは練習撮影に行きたいと思います。
広角レンズを使った練習撮影は私も興味があります。
1月までは仕事が忙しそうなのですが、練習ならではの表情や写真が撮れるのが魅力ですから、
練習試合解禁までには何とか行ってみたいです!
Commented at 2015-03-26 06:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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